南廻線

南廻線とは

台湾鉄路公司が運営する南廻線は、屏東県の枋寮駅から台東県の台東駅を結ぶ全長約98.2kmの鉄道路線です。台湾を一周する鉄道路線の中で最後に開通した区間であり、中央山脈を越えて、険しい海岸線を通過するため、建設には多くの困難が伴いました。この路線は、台湾の南東部を横断し、風光明媚な景色を楽しむことができる人気の路線となっています。

路線概要

管理者: 台湾鉄路公司
路線距離: 枋寮 - 台東間 98.2km
軌間: 1,067mm
駅数: 14（起終点駅含む、信号場2含む）
トンネル数: 35
橋梁数: 158
複線区間: 中央（信） - 古荘（信）間 16.9km
電化区間: 全線（交流25,000V）
電報略号: ㄋㄏㄒ
開業日: 1985年7月15日（部分開業）、1992年10月5日（全線開業）

南廻線は、その建設の難しさからトンネル区間が全長の多くを占めています。全線電化されており、かつては旧型客車による普快車が運行されていましたが、電化に伴い廃止されました。現在では、区間快車や対号列車が運行されています。

歴史

南廻線の建設は、日本統治時代から計画されていました。当初は台南から卑南、または枋寮線から恒春、台東への延伸が検討されていましたが、予算不足や戦争の影響で計画は何度も延期されました。戦後も路線の選定や測量が行われ、複数のルートが検討された結果、現在のルートが採用されました。

年表

1980年: 路線経路と事業化が決定し、建設が開始。
1985年: 卑南（後の台東新駅）～知本駅間が開業。
1988年: 知本駅～太麻里駅間が開業。
1989年: 太麻里駅～香蘭駅間が開業。
1990年: 中央トンネルが貫通。
1992年: 全線が開業し、自強号、莒光号、普通列車（普快車）が運行開始。
1997年: 香蘭駅と三和駅が廃止。
2004年: 枋山駅付近で列車運行妨害事件が発生。
2006年: 多良駅が廃止。
2009年: 台風による被害で一部区間が不通となる。
2010年: 台風により太麻里渓橋が流失。
2013年: 土石流により自強号が脱線。
2014年: 新しい太麻里渓橋が開通し、電化工事が開始。
2016年: 全駅でIC乗車券が利用可能に。
2017年: 電化事業が国の計画に組み込まれ、電化工事が進捗。
2020年: 全線で通電、電化工事が完了し、普快車が最終運行。
2020年: 全線電化開業、枋寮駅が二等駅に昇格。

運行形態

南廻線では、主に以下の列車が運行されています。

区間快車: 新左営駅や嘉義駅から台東駅を結び、一部列車は各駅に停車します。
対号列車: 台東駅と新左営駅を結ぶ列車が中心で、莒光号や太魯閣号などが運行されています。
観光列車: 「環島之星」や「藍皮解憂号」といった観光列車も運行されています。

使用車両

南廻線で使用される車両は以下の通りです。

対号列車:
自強号（TEMU2000、TEMU1000、E1000、EMU3000型）
莒光号（頭等客車/二等客車）
観光列車:
頭等客車/二等客車
日本製およびインド製旧型客車
非対号列車:
区間快車（EMU900型）

過去の列車

普快車: 以前は台東～枋寮間で運行されていましたが、電化に伴い廃止されました。
区間車: 復興号用客車が使用されていましたが、現在は区間快車に置き換えられています。

駅一覧

南廻線には、以下の駅があります。

枋寮
加禄
内獅
枋山
大武
瀧渓
金崙
太麻里
知本
康楽
* 台東

一部の駅は廃止されたり、施設が供用されていない場合があります。

南廻線は、台湾の美しい自然景観を堪能できる路線です。電化や列車の改善により、より快適な旅を楽しめるようになりました。

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