普洱市

普洱市（ふじ-し）

普洱市は、中華人民共和国雲南省の南部に位置する地級市です。東南アジア地域と国境を接し、古くから交易の要衝として栄えてきました。多様な民族が暮らすこの地域は、豊かな自然と独特の文化が魅力です。

歴史

普洱市は、古くから東南アジアとの交易が盛んでした。1896年には税関が設けられ、雲南省における三大税関の一つとして重要な役割を果たしました。現在では、江城、瀾滄、孟連、西盟など20カ所に国境が設けられており、国境貿易も活発です。

この地域は、2007年1月に思茅市から普洱市へと改称されました。この改称は、地域を代表するプーアル茶の名を冠することで、その魅力を国内外にアピールする目的がありました。

行政区画

普洱市は、1つの市轄区と9つの自治県を管轄しています。

市轄区

思茅区（しぼう-く）

自治県

寧洱ハニ族イ族自治県（ねいじ-ハニぞくイぞくじちけん）
鎮沅イ族ハニ族ラフ族自治県（ちんげん-イぞくハニぞくラフぞくじちけん）
景東イ族自治県（けいとう-イぞくじちけん）
景谷タイ族イ族自治県（けいこく-タイぞくイぞくじちけん）
墨江ハニ族自治県（ぼっこう-ハニぞくじちけん）
江城ハニ族イ族自治県（こうじょう-ハニぞくイぞくじちけん）
瀾滄ラフ族自治県（らんそう-ラフぞくじちけん）
孟連タイ族ラフ族ワ族自治県（もうれん-タイぞくラフぞくワぞくじちけん）
西盟ワ族自治県（せいめい-ワぞくじちけん）

年表

普洱市の歴史は、行政区画の変遷とともに変化してきました。

寧洱専区（ねいじせんく）

1949年10月1日：中華人民共和国雲南省寧洱専区が成立。寧洱県、思茅県、車里県、六順県、南嶠県、仏海県、鎮越県、鎮沅県、景東県、景谷県、墨江県、江城県、瀾滄県、寧江設治区、滄源設治局が発足。(13県1設治局1設治区)
1951年4月2日：寧洱専区が普洱専区に改称。

普洱専区（ふじせんく）

1951年4月2日：寧洱専区が普洱専区に改称。寧洱県が普洱県に改称。(13県1設治局1設治区)
1952年11月21日：寧江設治区が県制施行し、寧江県となる。滄源設治局が県制施行し、滄源県となる。(15県)
1952年11月25日：滄源県が緬寧専区に編入。(14県)
1953年3月28日：普洱専区が思茅専区に改称。

思茅専区（しぼうせんく）（1953年-1957年）

1953年4月7日：瀾滄県の一部が分立し、瀾滄ラフ族自治区が発足。(14県1自治区)
1953年7月11日：寧江県が瀾滄ラフ族自治区・仏海県に分割編入。(13県1自治区)
1953年11月3日：六順県が思茅県・車里県に分割編入。(12県1自治区)
1954年5月18日：江城県が自治区に移行し、江城ハニ族イ族自治区となる。(11県2自治区)
1954年5月31日：瀾滄県の一部が分立し、孟連タイ族ラフ族カワ族自治区が発足。(11県3自治区)
1954年9月1日：車里県、南嶠県、仏海県、鎮越県がシーサンパンナ・タイ族自治区に編入。江城ハニ族イ族自治区、思茅県の各一部がシーサンパンナ・タイ族自治区車里県に編入。思茅県の一部がシーサンパンナ・タイ族自治区鎮越県に編入。(7県3自治区)
1955年1月13日：瀾滄県が瀾滄ラフ族自治区に編入。(6県3自治区)
1955年6月1日：江城ハニ族イ族自治区が県制施行し、江城ハニ族イ族自治県となる。(6県1自治県2自治区)
1956年5月29日：墨江県の一部が紅河ハニ族自治区紅河県・元陽県の各一部と合併し、紅河ハニ族自治区六村弁事処となる。(6県1自治県2自治区)
1956年10月：瀾滄ラフ族自治区の一部が分立し、西盟山区が発足。(6県1自治県2自治区1山区)
1957年10月19日：思茅県、普洱県、鎮沅県、景東県、景谷県、墨江県、江城ハニ族イ族自治県、瀾滄ラフ族自治区、孟連タイ族ラフ族カワ族自治区、西盟山区がシーサンパンナ・タイ族[[自治州]]に編入。

思茅地区（しぼうちく）（1964年-2003年）

1964年8月18日：シーサンパンナ・タイ族[[自治州]]普洱県、鎮沅県、景東県、景谷県、墨江県、江城ハニ族イ族自治県、瀾滄ラフ族自治県、孟連タイ族ラフ族ワ族自治県、西盟ワ族自治県を編入。思茅専区が成立。(5県4自治県)
1970年：思茅専区が思茅地区に改称。(5県4自治県)
1979年7月30日：墨江県が自治県に移行し、墨江ハニ族自治県となる。(4県5自治県)
1981年5月9日：普洱県の一部が分立し、思茅県が発足。(5県5自治県)
1985年6月11日：普洱県が自治県に移行し、普洱ハニ族イ族自治県となる。景東県が自治県に移行し、景東イ族自治県となる。景谷県が自治県に移行し、景谷タイ族イ族自治県となる。(2県8自治県)
1990年2月3日：鎮沅県が自治県に移行し、鎮沅イ族ハニ族ラフ族自治県となる。(1県9自治県)
1993年3月25日：思茅県が市制施行し、思茅市となる。(1市9自治県)
2003年10月30日：思茅地区が地級市の思茅市に昇格。

思茅市（しぼうし）

2003年10月30日：思茅地区が地級市の思茅市に昇格。思茅市が区制施行し、翠雲区となる。(1区9自治県)
2007年1月21日：思茅市が普洱市に改称。

普洱市（ふじし）

2007年1月21日：思茅市が普洱市に改称。普洱ハニ族イ族自治県が寧洱ハニ族イ族自治県に改称。翠雲区が思茅区に改称。(1区9自治県)

交通

普洱市は、空路、陸路、水路の交通網が整備されており、国内外からのアクセスが比較的容易です。

航空

普洱思茅空港（ふじしぼうくうこう）
瀾滄景邁空港（らんそうけいまいくうこう）

道路

高速道路：昆磨高速道路（こんまこうそくどうろ）
国道：G213国道、G214国道、G323国道
省道：S218省道（旧G226国道）

鉄道

2021年12月3日：玉磨線（ぎょくません）の普洱駅が開業。

水運

国際港：思茅港（しぼうこう）

産業

普洱市は、プーアル茶の原産地として世界的に有名です。また、タバコの栽培も盛んです。近年では、コーヒー豆の生産も増加しており、プーアル茶、花茶と並んで「普洱三つの宝」とされています。

脚注

普洱市人民政府

外部リンク

普洱市人民政府

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