普通名称化した商標一覧

普通名称化した商標一覧

普通名称化とは、商標が一般的な名称として広く認識され、その結果商標権が実質的に及ばなくなる現象を指します。日本の商標法においては、登録商標が普通名称化すると、その商標権が他者に使用されても強く主張できなくなります。このため、企業は自社の商標が普通名称化しないよう、注意を払っているのが現実です。

商標法の規定

日本の商標法第26条によれば、特定商品やサービスに関連する普通名称や表示方法について、商標権の効力は及ばないとされています。このため、商標が普通名称化すると、登録状態が続いていても権利が行使できなくなる可能性があります。もし誤って登録された商標がすでに普通名称化されていた場合、後にその登録が無効になることもあり得ます。

普通名称化した商標の例

以下は、特に裁判所または特許庁によって普通名称化したと判断された商標の一部です。

裁判所による判断が行われた商標

1. うどんすき
- 商標保持者：美々卯（商標登録第553621号）
- 判決：東京高裁により普通名称化が認定されたが、商標登録は存続中。

2. 正露丸
- 商標保持者：大幸薬品（商標登録第545984号）
- 判決：複数の登録商標があり、一つは無効とされた。2006年には他の商標が普通名称化されたとの判断が下され、さらに控訴しても敗訴が確定した。

3. 招福巻
- 商標保持者：小鯛雀鮨鮨萬（商標登録第2033007号）
- 判決：2010年に大阪高裁で普通名称化されたとされた。

4. 巨峰
- 証明：商標登録第472182号など
- 判決：大阪地裁で「巨峰」はぶどうの一品種として一般的な名称であると認められた。

特許庁による判断が行われた商標

• - サニーレタス（昭和57年審判第2936号）
• - ポケベル（昭和62年審判第15568号）
• - 別れさせ屋（平成21年不服2008-31403）

これらの商標は、それぞれ普通名称として認定された事例に該当します。

商標権が消滅した例

特定の商標が競争の結果、広く使われるようになり普通名称化したケースもあります。例えば、実際には登録されていたが、商標権が消滅したものであり、現在では一般名として使われる以下の例があります。

• - エスカレータ：米オーチス社の登録商標が1950年に権利放棄。
• - メカトロニクス：1972年以降の商標登録がなくなり、現在一般名称に。
• - ホームシアター：1963年に登録され、1999年に無償開放。

初めから商標権がなかった例

一方で、初めから商標権が存在しなかった商標も存在します。例えば、ホッチキスは多くの文献で商標登録されたとされますが、その記録は不明確で、現状では一般的な名称の扱いです。メンマについても、登録できなかった事由から既存の名称の一環として扱われています。

まとめ

普通名称化は商標の重要な側面であり、企業はそのリスクを常に意識しなければなりません。商標権は法的な保護を提供しますが、商標が一般名称化すれば、その権利の効力は薄れてしまいます。これにより企業は、商品の独自性を守るため、商標を効果的に管理する必要があるのです。

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