普通徴収

普通徴収とは

普通徴収（ふつうちょうしゅう）は、地方自治体の徴税吏員が法律や条例に基づき、定められた方法で税額や納期、納付場所を含む納税通知書を納税者に交付し、地方税を徴収する仕組みです。特別徴収のように給与等から天引きされるのではなく、納税者が自身で金融機関や指定の窓口で納付する形式をとります。略称として「普徴（ふちょう）」も用いられます。

普通徴収の対象税

普通徴収の方法で納付される地方税には、個人事業者対象の住民税が含まれており、これは市町村が個人の市町村民税と道府県民税を合わせて徴収します。さらに、都道府県税には個人事業税、不動産取得税、自動車税、鉱区税があり、市町村税には固定資産税、軽自動車税、都市計画税などがあります。また、国民健康保険を運営する市町村の保険料や介護保険料も普通徴収によって徴収される対象です。

住民税の徴収方法

住民税は給与所得者、つまりサラリーマンや公務員などには原則として特別徴収の方式が適用されます。この場合、給与から自動的に天引きされる仕組みです。給与支払者には特別徴収を行う義務があります。しかし、給与所得者や年金受給者以外の納税者には、天引きができないため、各納税者に市町村から納付書が発送され、これに基づいて指定の窓口で税金を納める必要があります。

普通徴収の納期限は一般的に6月、8月、10月、1月の毎月となっており、具体的な日付は市町村の条例によって決定されます。たまに、給与所得者のもとに普通徴収の納付書が届くことがあります。これは、給与や公的年金以外に副収入があったり、以前の職場を退職した後に新たな職場で特別徴収を続けていない場合に該当します。また、確定申告を行った際に、副収入について普通徴収を選んだ場合に発生することもあります。

特別徴収との関係

地方税法では、給与所得については一般的に特別徴収が行われることが規定されています。副業がアルバイトなどの給与所得である場合でも、主たる給与を受ける職場でその税金を特別に徴収しなければなりません。東京都では、特例の申請をしない限り、普通徴収に切り替えることができない仕組みがあります。

普通徴収の納付書が届いた給与所得者がいる場合は、その納付書を給与支払者に提出することで、特別徴収に切り替えることができます。年度内の途中でも切り替えが可能ですが、納付書の納期が過ぎてしまった場合は、切り替えは行えませんので注意が必要です。

介護保険料の徴収

介護保険料についても、年金からの天引きによる特別徴収と、納付書に基づく普通徴収の2つの方法があります。支給年金が年18万円未満であったり、年金受給をしていない場合、また65歳に達した場合や、他の市区町村から転入した直後の場合には、普通徴収の方法が適用されます。なお、被用者保険に含まれる介護保険料は、65歳になるまで給与から自動的に天引きされます。

関連項目

• - 特別徴収
• - 源泉徴収
• - 国民健康保険
• - 後期高齢者医療制度

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