普通高等学校招生全国統一考試

普通高等学校招生全国統一考試（高考）

概要

普通高等学校招生全国統一考試、通称「高考」は、中国の大学入学試験であり、全国的に実施される重要な試験です。この試験は1952年に始まりましたが、文化大革命の影響で1966年から1976年の間は中止されていました。1977年に再開されて以降、中国の多くの学生にとって進学の希望や将来を左右する試験として位置付けられています。毎年6月の7日から8日まで行われるこの試験は、一部の省ではさらに3日間続くことがあります。

受験生は自分の志望校や専攻をもとに複数の大学へ応募できますが、大学ごとに個別の試験は行われず、高考の結果のみで合否が決まります。このため、受験生やその家族は高考に向けた十分な準備と戦略を練る必要があるのです。

社会的影響

高考は単なる試験ではなく、家族や地域社会全体がその結果に影響を受ける一大イベントです。試験日には親が受験生を送迎するのが通例で、高校の試験会場は多数の人々で賑わいます。また、交通管理が行われ、一般市民は交通機関を控える傾向があります。各メディアも受験生の行動や親の願掛けを頻繁に報じ、社会全体が高考に関心を寄せています。

さらに、受験産業が盛況で、学習塾に多額の投資をする家庭も多く、特に試験シーズンには対策講座や模試が人気を集めます。2020年代には、母親が験担ぎのため、日替わりで異なる色のチャイナドレスを着るという風潮も生まれ、関連商品の売上が増加しています。

教育政策

2021年、政府は教育費の高騰や少子化問題を受け、「双減政策」を発表しました。この政策には、民間学習塾の非営利化や宿題の量の制限、さらに受験産業の広告規制が含まれていますが、高校生向けの補習校に対する規制は議論を呼び、小中学生向けに限られています。

出身地域・民族による格差と試験の難易度

高考には「統一」と名乗りながらも、地域によって出題内容や試験科目が異なるという問題があります。同じ試験を受けても、合格基準は地域ごとに異なり、例えば都市部と地方では受験者数や大学の特性によって競争率が大きく変わります。このような状況から、逆に地方で教育を受けるために、親が都心の戸籍を取得することがあるなどの問題が生じています。

さらに、中国の大学はほとんどが国立で、地域ごとに入学者数が不同に設定されています。都市部は大学が多く、合格ラインが比較的低い一方で、地方は逆に合格基準が高くなる傾向があるため、教育機会に不平等が伴うのです。少数民族に対する優遇措置もあり、これにより受験時の格差が更に複雑化しています。

不正行為とその対策

高考では不正行為も問題となっています。受験生がカンニングを行うケースは毎年しばしば見られ、外部からのサポートを使って問題を解こうとする手法が報告されています。このため、当局は通信遮断装置や監視技術を活用して不正行為を厳しく取り締まっています。

こういった状況が続く中、受験に対するプレッシャーはますます高まっており、この試験が中国の社会や教育制度に与える影響を考えると、その重要性は計り知れません。

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