普門寺 (大府市)

普門寺（ふもんじ）

普門寺は、愛知県大府市横根町石丸94に位置する曹洞宗の寺院で、山号は海雲山です。この寺の本尊は観音菩薩であり、豊明市の曹源寺とは本末関係にあります。また、大府市内には普門寺に属する末寺として、薬師寺や庚申寺も存在します。普門寺は知多四国霊場や尾張三十三観音霊場など、いくつかの霊場に名を連ねており、特に大府七福神の札所としても知られています。

歴史

創建

普門寺の創建は白鳳元年（673年）に遡ります。この時、流れ着いた十一面観音の木像が本尊として置かれ、初めての堂宇が建てられました。その後、観音堂は普門庵と改名され、歴史を刻んでいくことになります。

近世

元和年間（1615年～1624年）には、曹源寺の3代目住職である雪山寿盛が寺院を再興し、曹洞宗の寺としての道を歩を進めます。明和7年（1770年）には、知多西国三十三所霊場の第3番札所としても位置付けられました。隣接する極楽寺からは300メートルほどの距離にあり、巡礼者たちに訪れやすい場所にあります。天保年間（1830年～1844年）には、曹源寺の正道得眼が本堂を再建し、寺院を再興します。

近代・現代

第二次世界大戦中、普門寺の梵鐘も供出され、戦後は再鋳されることなく現在に至っています。1945年5月17日、名古屋市南部に落とされた焼夷弾の影響が大府町内にも及び、普門寺を含む地域に被害をもたらしました。1955年には尾張三十三観音霊場の札所に認定され、1991年になると大府七福神の札所の一つとしての役割を果たします。2001年には本堂の改修を行い、2002年には庫裡の落慶が行われ、2007年にも観音堂や境内の整備が完成しました。

境内の構成

普門寺の境内にはいくつかの重要な施設が存在します。主な施設としては、本堂、山門（鐘楼門）、観音堂、納経所、手水舎などがあります。本堂は中心的な存在であり、観音菩薩を拝むための重要な場所です。観音堂は本堂の左側に位置し、熱心に訪れる信者たちによって受け継がれています。また、納経所は本堂の右側にあり、巡礼者たちが参拝した証を記すために利用されています。

文化財

普門寺には市指定文化財にも指定されている貴重な木造彫刻があります。平安時代初期の作品である木造薬師如来立像は1968年に指定され、また、平安時代の木造十一面観世音菩薩立像は秘仏として17年ごとに公開されています。この像は1973年に指定され、その美しさと価値が今も多くの人々に求められています。

現地情報

普門寺の所在地は愛知県大府市横根町石丸94です。アクセスは、JR東海道本線大府駅から車で約12分、名鉄名古屋本線豊明駅からは車で約15分と便利です。

特に、宗教的な価値と歴史的な背景を持つ普門寺は、地域の文化の一旦を担っており、訪れる人々に様々な感動を提供してくれます。

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