普門館

普門館（ふもんかん）

普門館は、東京都杉並区に位置していた、仏教の在家団体である立正佼成会が所有していた大型ホールです。1970年にその歴史が始まり、5000人規模の収容人数を誇るこのホールは、多様なイベントの開催地として広く利用されてきました。

概要

普門館は1967年に工事に着手し、約2年8ヶ月の歳月をかけて1970年4月28日に完成しました。開館記念公演には日本フィルハーモニー交響楽団が行われ、東京佼成ウインドオーケストラの本拠地としても知られています。1977年には、著名な指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンが彼の指揮でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による公演を行いましたが、その際にはホールの響きが不十分で、聴衆の不満を招く結果となりました。

普門館はまた、「文化、学術、芸術活動の普及と発展」という立正佼成会の方針に従い、音楽コンサートや講演会などが幅広く開催されました。これによりチェコスロヴァキア交響楽団やニューヨーク・フィルハーモニックなど、数多くの国際的なアーティストが来日し、パフォーマンスを行いました。特に1981年には、マザー・テレサが講演を行うなど、さまざまな文化的なイベントが行われました。

なお、普門館のロビーには聖観世音菩薩像が置かれ、運営団体の仏教的な特徴が表現されていました。

耐震強度と閉館

2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、普門館の耐震性に関する調査が行われ、2012年の調査では震度6強以上の地震に対して天井が崩落する危険性が指摘されました。このため、ホールの耐震強化工事が計画されましたが、その後の検討で建設地域の用途変更が判明し、新たなホールの建設が不可能であることが分かりました。最終的に、2018年12月より解体工事が始まりました。

吹奏楽との関係

普門館は「吹奏楽の甲子園」とも称され、全国大会が毎年開催されていました。初の大会は1972年に行われ、その後1977年からは毎年普門館での開催が続きました。これにより、吹奏楽関係者の間では特に有名な場となりました。中でも、2004年から2010年にかけてテレビ番組での特集が放送され、普門館の名は一般にも広まりました。

解体と跡地

普門館は2018年11月まで特別イベントを開催し、多くの人々が最後の訪問をしました。最終公演は無観客で行われ、約400人の吹奏楽部員が集結して演奏しました。解体工事はその後に行われ、普門館はその長い歴史に幕を下したのです。現在、この跡地は「普門エリア」として芝生広場として整備され、多くの人々が訪れています。

アクセス

住所は東京都杉並区和田2-6-1で、最寄り駅には東京メトロ丸ノ内線の「方南町駅」や「中野富士見町駅」があり、バスでもアクセスが可能です。普門館は近隣の地域住民や訪れる人々にとって、貴重な文化・音楽の場でありました。

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