景初

景初（けいしょ）は、三国時代の魏において、明帝（曹叡）の治世に使用された3番目の元号です。その期間は237年から239年までの3年間でした。

景初の出来事

景初元年（237年）3月：改元と同時に、新たな暦である景初暦が施行されました。これにより、暦法が改められ、新たな時代の始まりが告げられました。
景初3年（239年）1月：明帝が崩御し、斉王（曹芳）が即位しました。この出来事は、魏の政治体制に大きな変化をもたらしました。

景初暦について

景初暦は、景初の元号が始まった際に施行された暦法です。この暦は、当時の天文学や数学の知識に基づいて作成され、農業や政治など、様々な分野で利用されました。暦の変更は、社会全体に影響を与える重要な出来事でした。

平勢隆郎の説

歴史学者の平勢隆郎は、魏書明帝紀における景初改暦時の正月の変更に着目し、興味深い説を提唱しています。青龍4年は11月で終わるため、本来存在しないはずの青龍4年12月の記事が実際に存在していることを指摘しています。この矛盾について、平勢は、景初改暦の際に暦元として採用された壬辰と同じ辰の年である青龍4年（236年）に遡及させて景初元年としたものの、その後の魏晋革命の影響で元に戻されたために、正史の記事に混乱が生じたと考察しています。また、正史に基づけば本来あるはずのない「景初4年」銘の三角縁神獣鏡が存在することについても、同様の理由で説明できるとしています。平勢の説によれば、景初は実際には4年まで存在したことになります。

参考文献

『三国志』（中華書局 1974年）
『中国歴代年号考』李崇智（中華書局 2004年）

関連項目

元号一覧 (中国)
景初暦

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