景王 (周)

景王（けいおう、生年不詳 - 紀元前520年）は、中国春秋時代の周王朝の王で、姓は姫、諱は貴です。霊王の子として生まれ、父王の死後、王位を継承しました。

生涯

紀元前545年11月、父である霊王が崩御したことを受け、景王は即位しました。即位後、景王は諸侯との外交関係を重視し、紀元前541年には劉定公を派遣して趙武（趙文子）をねぎらわせるなど、関係の安定に努めました。また、紀元前533年には、賓滑を派遣して甘の大夫襄を逮捕し、国内の統制を図っています。さらに、紀元前531年には、単成公を厥憖の会に派遣し、晋の韓起（韓宣子）と会合させています。これらの外交活動を通じて、周王室の権威を維持しようとしました。

しかし、景王の治世には不幸な出来事もありました。紀元前527年には、愛する太子である寿が亡くなっています。景王は深く悲しんだことでしょう。また、紀元前521年には、無射という大鐘を鋳造するなど、文化的な事業も行っています。

景王は、王子朝とその傅役である賓孟を寵愛しており、王子朝を後継者にしようと考えていました。しかし、劉献公の庶子である劉文公は、賓孟を憎んでおり、王子朝の太子擁立に反対していました。この後継者争いが、景王の死後に大きな混乱を引き起こすことになります。

紀元前520年4月、景王は単穆公と劉献公を殺害しようと計画していたところ、心臓の病に倒れ、栄錡氏の邸で亡くなりました。そのわずか3日後には劉献公も死去し、劉文公が後を継ぎました。単穆公と劉文公は、景王の後を継いで悼王を擁立しました。景王の死後、6月の葬儀の際に、後継者と目されていた王子朝が反乱を起こし、周王朝は内乱状態に陥りました。

このように景王の治世は、国内の安定と外交に努めた一方で、後継者争いという大きな問題を抱えていました。景王の死後、その問題は表面化し、周王朝の衰退を加速させることとなりました。景王の生涯は、春秋時代の周王朝の混乱と衰退を象徴するものとして、後世に語り継がれています。

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