暁伸・ミスハワイ

暁伸・ミスハワイ

暁伸・ミスハワイは、昭和の演芸界を代表する浪曲漫才コンビです。暁伸（あかつき しん、1915年12月1日 - 2011年12月26日）とミスハワイ（1926年4月30日 - 1998年12月13日）の夫婦で、独特の「浪漫リズム」で人気を博しました。2009年には、第13回上方演芸の殿堂入りを果たしています。

暁伸

本名、森 光雄。福岡県八女市出身。幼少の頃から歌が好きで、浪曲への情熱を抱き、浅草で京山爲吉に師事。京山芳秀を名乗ります。その後、桃忠軒桃千代一座で地方巡業をする中で、浪曲の新たな可能性を感じ、洋楽を学び歌謡浪曲に進出。ギブソンのギターを愛用し、高価なルイ・ヴィトンのバッグを改造して特注ギターケースを作るほどのこだわりを持っていました。

晩年は糖尿病を患いながらも舞台に立ち続けましたが、2011年12月、心筋梗塞のため96歳で亡くなりました。

ミスハワイ

本名、森オセイ（旧姓:南口）。大阪府出身。神戸の岡田芸能社に所属する歌手で、春野ひばりの名で初舞台を踏みます。戦時中、朝鮮での巡業中に一座の芸人がギャラを持ち逃げしたことがきっかけで、暁伸とコンビを結成。

当初は『暁のぼる・春乃ひばり』などのコンビ名で、ギターとクラリネットによるジンタ風のリズムを取り入れていましたが、1951年のアメリカ巡業でハワイに立ち寄り、現地の音楽に触れたことから、独自の「浪漫リズム」を創案。コンビ名も『暁伸・ミスハワイ』に改めました。

派手なムームーに金髪のカツラ、ヘチマ型のギロを手に、「行け!」「ええ声で歌わんかい！」と暁伸をけしかけ、「アーイーヤー」を連発するスタイルは、大きな話題を呼びました。

1998年に逝去。

浪漫リズム

「浪漫リズム」は、暁伸・ミスハワイの代名詞とも言える独特の芸風です。英単語を交えた浪曲漫才と、ミスハワイのコミカルな動き、そして「アーイーヤー」の掛け声が特徴的。暁伸がミスハワイの容姿を揶揄する場面や、時事ネタを取り入れた客いじりなど、ペーソス溢れる笑いで観客を魅了しました。

逸話

タイヘイトリオとは犬猿の仲だったと言われています。
暁伸は芸に厳しく、酒や博打に手を出さず、常に芸人らしい身なりに気を配っていました。
ミスハワイは、舞台を降りると後輩芸人や裏方への面倒見が良く、慕われていました。
テーマソング『これは素敵な チョイといかす。一節聴いたら ドンピシャリ～♪』は、毎日放送の番組『お笑いびっくりタイム』のCMソングとして作られたもので、後に自分たちの舞台でも使用するようになりました。

暁伸・ミスハワイは、上方演芸界に大きな足跡を残した名コンビとして、今もなお語り継がれています。

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