曙橋

曙橋について

曙橋（あけぼのばし）は、東京都新宿区に位置する陸橋であり、都道319号線、通称外苑東通りが都道302号線、靖国通りを跨ぐ形で架かっています。新宿区の片町と荒木町の境界に位置し、この地域の交通の要所となっています。

橋の概要

橋長: 103メートル
幅員: 22メートル
車線: 上下2車線、合計4車線
歩道: 左右両側に設置

曙橋は、その構造からも分かるように、車両と歩行者の両方が安全に通行できるような設計がなされています。幅員も広く、交通量が多い場所でもスムーズな通行が可能です。

歴史

曙橋の歴史は、旧四谷区と旧牛込区の境界という地形的な特徴に深く関係しています。この場所は谷状の地形であり、二つの地域を隔てていました。また、付近には士官学校や東京陸軍幼年学校といった広大な施設が存在し、人々の往来を大きく妨げていました。そのため、四谷と牛込の間を行き来するには、谷底まで降りるか、士官学校の敷地を大きく迂回する必要がありました。

1920年代になると、この状況を改善するために陸橋の建設が具体的に計画されました。関東大震災後の復興事業の一環として、四谷と牛込を結ぶ道路建設が計画され、その一部として陸橋も計画されました。しかし、戦争による資金不足のため、陸橋部分は着工されず、道路だけが先行して建設されました。そのため、長らくこの場所は陸橋のない状態が続きました。

1954年になって、新宿区総合発展計画推進会が陸橋建設を提言し、ようやく建設が開始されました。橋の名称は一般公募によって決定され、復興と成長を願う意味を込めて「曙橋」と命名されました。そして1957年、ついに曙橋が開通し、その際には盛大な開通パレードが催されました。これにより、四谷と牛込間の往来は非常に円滑になり、地域住民の生活を大きく改善しました。

さらに、1980年には都営地下鉄新宿線が開通し、曙橋のほぼ直下に駅が建設されました。この駅も、橋の名前を取って「曙橋駅」と命名され、この地区の名称として広く親しまれています。

沿革

1955年: 建設着工（当初の仮称は「合羽坂跨道橋」）。
1956年6月21日: 一般公募により「曙橋」と命名決定。
1957年6月4日: 曙橋が開通。
1980年3月16日: 都営地下鉄新宿線曙橋駅が開業。

関連項目

曙橋駅
あけぼのばし通り
曙橋 (神田川) - 新宿区と豊島区の境に架かる同名の橋。
立体交差

曙橋は、単なる陸橋としてだけでなく、地域の歴史や発展を象徴する存在として、今もなお多くの人々に利用され、親しまれています。

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