曳馬野駅

曳馬野駅 (ひくまのえき)

曳馬野駅は静岡県浜松市現・中央区初生町に位置していた遠州鉄道の旧駅です。初めは軍事用の駅として利用されていましたが、後に地域の人々にとって重要な交通の要所となりました。曳馬野駅は1964年の奥山線廃止に伴い役目を終えました。

歴史

曳馬野駅の歴史は1939年にさかのぼります。この年の4月1日、浜松鉄道追分駅から三方原駅の間に廠舎口駅として新たに開業しました。わずか1年後の1940年には曳馬野駅に改称され、その後1947年に浜松鉄道が遠州鉄道と合併し、奥山線の駅として正式な位置づけとなります。

1950年には、東田町駅と当駅の間での電化営業が始まり、これにより曳馬野駅は電化区間の終点となりました。残念ながら、1964年11月1日に奥山線の廃線が決定し、この駅も廃止されました。

駅の構成

曳馬野駅は、廃止当時に1面2線を持つ島式ホームを有する地上駅であり、列車の交換が可能な交換駅として機能していました。上下本線には架線が存在し、上下の列車はそれぞれ異なる方向に向かって運行されていました。また、機回し線も設けられており、特に下り線側には行き止まりの側線と、上り線側にも車庫に向かう側線が存在しました。これにより、駅舎と反対側の列車の入れ替えが可能だったのです。

駅では、通過する列車によって電車や気動車が連結された客車も見られました。乗客を乗せた状態での転線も行われることがあり、さまざまな編成が駅で見られました。また、職員配置駅であったため、駅舎とホームは構内踏切で結ばれていました。

駅周辺の状況

当駅があった地点は国道257号（金指街道）が通る場所でもありました。廃駅後は浜松北郵便局が開局し、地域の新たな拠点となりました。駅跡は遠州鉄道の三方原営業所として利用され、後には遠鉄ストア（初生店）へと変わっていきました。時間が経つにつれて、駅の痕跡はますます薄れていき、現在の姿ではその面影を見つけることは難しくなっています。

近年では、駅跡の一角に「奥山線曳馬野駅跡」と記載された碑が立てられ、地域の歴史を留める証として存在しています。また、かつての線路跡は市道として拡幅され、自動車が通れる道へと変貌しました。

隣接駅

曳馬野駅は、奥山線の追分駅と三方原駅の間に位置しており、当駅を通じてあらゆる列車の運行が行われていました。廃駅となった今でも、当時の利用者の記憶に残る場所となっています。

曳馬野駅の歴史は、地域の鉄道の発展を象徴しており、その跡地もまた浜松市の歴史の一部となっています。

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