更上閣

更上閣（こうじょうかく）は、青森県八戸市本徒士町に位置する、明治時代から大正時代にかけて建てられた歴史的建造物です。呉服商、醤油の製造・販売、繊維工場経営、そして泉山銀行の設立など、多岐にわたる事業で成功を収めた泉山家の邸宅として建てられました。その主屋と門は、日本の登録有形文化財として、その価値を認められています。

概要

更上閣は、泉山家の隆盛を象徴する建物であり、当時の建築技術と意匠を今に伝える貴重な遺産です。毎年2月には、八戸地方の伝統芸能である八戸えんぶりを鑑賞する「お庭えんぶり」が開催され、訪れる人々は、温かい八戸せんべい汁と甘酒を味わいながら、厳かで華麗な舞を間近に見ることができます。地域住民や観光客にとって、歴史と文化に触れることができる特別な場所となっています。

建築

更上閣の建築物としての特徴は、以下の通りです。

主屋
1897年（明治30年）に建てられ、1919年（大正8年）に増築されました。社寺建築に見られる二軒半繁垂木、蟇股、虹梁といった技法が用いられており、伝統的な日本の建築美を感じさせます。玄関棟の背面に座敷棟が増築されたことで、居住空間としての機能性と格式を高めています。
門
大正8年に建てられた石造りの門は、間口が2.7m。敷地の東南に位置し、石材を主材料としています。両側の通用口頂部には反りが設けられ、鳥居のような形状をしています。脇障子風の小壁には羽目板が用いられ、細部にまで意匠が凝らされています。

これらの建築物は、2003年（平成15年）9月19日に登録有形文化財となりました。

現地情報

所在地: 青森県八戸市大字本徒士町5-4
交通アクセス:
八戸線・本八戸駅より徒歩約13分
八戸自動車道・八戸インターチェンジより車で約10分

更上閣は、八戸の歴史と文化を伝える貴重な存在であり、訪れる人々に安らぎと感動を与えてくれます。周辺には、八戸酒造や新むつ旅館、旧河内屋橋本合名会社など、同じく登録有形文化財に指定されている歴史的建造物も点在しており、合わせて見学することで、八戸の歴史的な魅力をより深く感じることができます。

関連情報：
登録有形文化財一覧
八戸酒造
新むつ旅館
旧河内屋橋本合名会社

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