更地駅

更地駅について

更地駅（さらぢえき）は岐阜県揖斐郡大野町に位置した名古屋鉄道の谷汲線の駅であり、かつては桜の名所として地域に親しまれていました。駅の周囲には美しい桜の木が植えられており、春には訪れる人々で賑わったことでしょう。駅の存在は地域の交通の要所であり続け、歴史的な背景もしっかりと持っています。

駅の歴史

更地駅は1926年に谷汲鉄道の一部として開業しました。開業当初は「稲富駅」という名称が予定されていましたが、資金不足のため計画が変更され、最終的に「更地駅」という名前が選ばれました。この時、当駅では駅間の短絡トンネル案があったものの、実現には至らず、寺内駅予定地に新しい稲富駅が設けられました。

さらに、開業当初から交換可能な駅として位置づけられ、一時的な混雑緩和のために臨時ダイヤが計画されたこともありました。しかし、駅間の距離が問題となり、実際には稲富駅での交換が行われたため、更地駅での交換設備は一度も使用されることはありませんでした。その後、貨物輸送も行われましたが、1931年にはその量が0になってしまいました。

駅の詳細な歴史は以下の通りです：

• - 1926年4月6日：谷汲鉄道の黒野駅から谷汲駅間の開業に伴い、駅が設置。
• - 1927年12月：列車交換用信号機が撤去。
• - 1941年12月：貨物側線のレールが北野畑駅のために撤去。
• - 1944年3月1日：谷汲鉄道が名古屋鉄道に合併され、谷汲線の駅となる。
• - 1948年11月1日以前：駅が無人化。
• - 1976年以前：駅舎が撤去される。
• - 2001年10月1日：谷汲線の廃止に伴い、駅も廃駅に。

駅の構造

更地駅の構造は、単式のプラットフォーム1面1線でしたが、かつては島式のプラットフォーム2面と片面1線の貨物ホームを有し、利用者の利便性を高めていました。しかし、晩年では貨物ホームは使用されず放置され、周囲の民家の畑となる状況が見られました。また、駅舎も撤去され、その痕跡を残すだけの状態となっていました。

利用状況

1992年度のデータによれば、更地駅の1日平均乗降人員は54人であり、これは名古屋鉄道全駅341駅中で341位、揖斐線・谷汲線の24駅中では23位という位置づけでした。この数値からも過疎化の影響が見て取れます。

更地駅の隣には、稲富駅と北野畑駅がありましたが、1944年に八王子坂駅が休止され、その後1969年に廃止となりました。

結論

更地駅は地域の交通の一端を担っていましたが、時代の流れと共にその役割を終えることとなりました。「桜の名所」としての面影は残るものの、駅としての歴史は今では過去のものとなっています。

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