曺晩植

曹 晩植 (チョ・マンシク) の生涯と影響

曹晩植は1883年2月1日に平安南道江西郡で生まれ、1950年10月18日に没した朝鮮の著名な独立運動家、教育者、そして政治家です。彼の雅号は古堂（コダン）で、特に日本での学びとその後の独立運動への参加で知られています。

初期の教育と留学

曹は1905年に平壌にあるミッション系の崇実学校に入学し、ここでキリスト教に入信しました。1908年に卒業後、日本に渡り、正則英語学校で英語を学びました。その後、1911年には明治大学法学部に進学し、ここで彼はインドの思想家、マハトマ・ガンディーの「非暴力・不服従」に関する論文に感銘を受けます。この経験が後の独立運動における思想的基盤となり、「朝鮮のガンジー」と称される所以です。

日本統治下での活動

1913年に帰国した後、彼は平壌の五山学校で教職に就き、わずか2年で学校長に昇進します。1919年の三・一独立運動では、指導的な立場から参加し、逮捕されて平壌監獄で1年を過ごしました。釈放後は民族の実力を養成する運動の先頭に立ち、教育界においても重要な役割を果たしました。

1921年にはYMCAの組織者および教会の長老として信仰コミュニティの礎を築く一方、1922年には国産品の使用を促進するために朝鮮物産奨励会を設立し、会長に就任しました。また、1923年には民族教育のための大学設立に向けた運動を展開しました。このように彼は教育、文化、さらには民族の自立を重視し、様々な団体を通じてその理念を広めていきました。

戦時中の立場

太平洋戦争中、曹はキリスト教民族主義の立場から、日本の神社参拝や志願兵制度への協力を拒否し、反対運動を行いました。1943年には当時の朝鮮軍司令官との面談を断ったことで再び逮捕されるものの、すぐに釈放されます。この姿勢は、彼の信念の強さを如実に示すものです。

独立後の政治活動

1945年の日本の敗北を受けて、曹晩植は即座に建国運動に着手しました。8月15日の解放日に平安道治安維持会を結成し、委員長に就任しますが、その後、ソ連軍の進駐によって状況が変化しました。彼はまた、朝鮮民主党を結成し、北朝鮮の初代の統治機構である北朝鮮五道行政局の長となりました。

しかし、彼は信託統治案に反対し続け、その結果、ソ連軍当局および共産主義者たちと対立することとなります。1946年には軟禁状態となり、1950年10月18日、平壌の陥落を前に処刑されました。

曹晩植の意義

曹晩植の人生は、教育者、政治家、独立運動家としての多面的な役割を通じて朝鮮の歴史に深く刻まれています。彼の信念や行動は、韓国の独立だけでなく、民族自立の理念に大きな影響を与え続けています。彼の疾風のような生涯は、今なお多くの人々に感銘を与えることでしょう。

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