曽場ヶ城

曽場ヶ城（そばがじょう）

曽場ヶ城は、安芸国賀茂郡、現在の東広島市八本松町に位置する戦国時代後期の山城です。標高607mの曽場ヶ城山に築かれ、比高は約350m。西条盆地とその周辺地域を一望できる場所にあります。

概要

城は連郭式山城で、全長約800mに及ぶ9つの曲輪で構成されています。本丸、二ノ丸、三ノ丸、午の段といった名称が現在も残っており、当時の城郭構造を偲ばせます。その立地から стратегическое な要衝として機能していたと考えられています。

沿革

築城は、大永3年（1523年）の鏡山城の戦いがきっかけとされています。この戦いで大内氏の安芸国支配の中枢であった鏡山城が落城したことを受け、その防御力の弱点を補強するために、大内義興によって大永7年（1527年）頃に築かれたと考えられています。鏡山城が平地に近いのに対し、曽場ヶ城は標高600mを超える高所に築かれました。このことは、鏡山城の戦いでの敗戦の教訓が生かされたことを示唆しています。

しかし、高所に位置することから不便さが課題となり、大内氏は最終的に、より利便性の高い槌山城を築いて拠点を移したため、曽場ヶ城は廃城となりました。山陽道の押さえとしては、曽場ヶ城の近くに飯田土居屋敷を築いて常駐しました。飯田土居屋敷は広島城が完成するまで、県内最大の平城でした。

参考資料

東広島市史
安岐のまほろば（財団法人東広島市教育文化振興事業団編集）

関連項目

* 日本の城一覧

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