曽天養

曽天養（そう てんよう、Zēng Tiānyǎng、1790年頃 - 1854年）は、太平天国の指導者の一人として知られています。別名、曽添養とも記されます。

広西省潯州府桂平県出身で、早くから拝上帝会に加わりました。1851年の金田蜂起時には既に50歳を超えていましたが、その経験と指導力で初期の太平天国を支えました。彼は当初、御林侍衛として太平天国の軍事組織において重要な役割を担い、後に秋官正丞相に任命されました。

曽天養の軍事的な才能は、太平天国の拡大において重要な役割を果たしました。1854年初頭、湖北省黄州での戦いにおいて、清軍を破り、湖広総督であった呉文鎔を戦死させるという大きな戦果を挙げました。この勝利は、太平天国の勢いをさらに加速させるものでした。

その後、曽天養は湖南省へ進軍しました。1854年8月9日には、岳州付近の城陵機で湘軍の水軍を打ち破り、指揮官の褚汝航を戦死させました。この戦いでの勝利も、彼の卓越した軍事能力を示すものでした。しかし、そのわずか2日後の8月11日、湘軍のタチブ（塔斉布）軍との戦闘で戦死しました。

曽天養の生涯は、太平天国の興亡と密接に関わっています。拝上帝会への参加から始まり、金田蜂起、そしてその後の軍事活動を通じて、太平天国の指導者として重要な役割を果たしました。彼の勇敢な戦いぶりは、太平天国の歴史において特筆すべきものであり、多くの人々に記憶されています。彼の死は、太平天国にとって大きな損失であったと考えられます。

曽天養は、太平天国という激動の時代に、自らの信念と軍事的な才能を駆使し、歴史に名を刻んだ人物です。彼の生涯は、太平天国の興隆と衰退を語る上で、欠かすことのできない重要な要素の一つと言えるでしょう。彼の死後、太平天国は内紛や清朝軍の反撃により徐々に衰退していき、最終的には鎮圧されることになりますが、曽天養の活躍は、太平天国の歴史の中で、その勇猛果敢な戦いぶりと共に、永く語り継がれています。

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