最上 (重巡洋艦)

最上

最上（もがみ）は、日本海軍が運用した重巡洋艦で、最上型重巡洋艦の1番艦です。この艦は1931年に起工され、1934年に進水しました。艦名は山形県最上川から取られており、1908年に竣工した通報艦「最上」の後継艦としての位置づけを持っています。最上は、数回の改修を経て太平洋戦争中に活動しましたが、最終的には自沈する運命を辿ることになりました。

建造と改修

最上は、1922年のワシントン海軍軍縮条約を受け、隻数制限のない条約型巡洋艦の建造を進める中で生まれました。日本海軍が計画したこの艦は、旧式艦の置換に当たり、最上型の巡洋艦が誕生したのです。最初は主砲に50口径20.3cm連装砲を搭載していましたが、1939年に主砲の換装工事を行い、一等巡洋艦としての性能を持つようになりました。

第一次改修後、最上は1941年に太平洋戦争が始まるまでの間、様々な任務に活躍しました。戦争の勃発以降、彼女は南方作戦やジャワ島への上陸作戦など、多くの作戦に投入され、特にマレー作戦や蘭印作戦での活躍が目立ちます。

太平洋戦争の緒戦とミッドウェー海戦

開戦当初から最上は戦闘艦隊の一員として多くの任務に従事し、特に1942年の南部スマトラ攻略作戦では、陸軍先遣部隊の支援役を果たしました。さらにミッドウェー海戦では連合艦隊に参加しましたが、激しい空襲に遭う等して、多くの損害を受けました。この海戦で最上は数度の爆撃を受け、艦の損傷が深刻化しました。

増強と航空巡洋艦への改装

ミッドウェー海戦以後、日本海軍は航空機の運用力を強化する必要性から、最上を航空巡洋艦に改装することに決定します。後部の砲塔を撤去し、水上偵察機を搭載する能力を持たせる改修が行われました。この改造により、最上は航空関連の作戦にも関与できる艦船として新たな役割を担うことになります。

レイテ沖海戦と最上の最期

1944年のレイテ沖海戦では、最上は西村艦隊の一員としてスリガオ海峡に突入し、敵艦と交戦しますが、激しい攻撃を受けて大破します。その後、艦長は自沈の決断を下し、最上は明け方の海に沈んでいきます。この戦闘での最上の戦死者は約190名に達し、その多くの兵士たちが戦場で命を落としました。最上の沈没は日本海軍にとって非常に大きな衝撃を与えました。

歴史的な評価

最上は、重巡洋艦として多くの戦闘に参加した艦の一つであり、日本海軍の艦艇の中でも特に注目される存在です。そのサービス中に数回の大改修を受けた他、戦闘中に衝突事故に巻き込まれるなど、多くの歴史的出来事に関与しました。2019年にはスリガオ海峡の海底1450メートル地点で最上の残骸が発見され、現在に至るまでその活躍や悲劇の歴史が語り継がれています。

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