砂越氏

砂越氏の概略と歴史

砂越氏（さごしし）は、日本の特定の氏族であり、出羽国飽海郡砂越邑に起源を持つ豪族です。詳しい出自や本姓は不明ですが、多くの資料によると、砂越氏は平泉地方における藤原泰衡の討伐に功績を挙げ、その功労により源頼朝から出羽国飽海郡代を任されました。目立った発展は、初めに市条（現在の酒田市市条）に政所を構えてから始まり、その後、播磨国の豪族である赤松氏の三男である石黒氏が、久寿元年（1154年）に築いた砂越館（現在の酒田市砂越）へと移転し、そこで地位を固めていきました。

砂越氏は、飽海郡内で留守職を持つ留守須藤氏と並び、最上川以北において重要な権力を持つ勢力へと成長していきました。

再興の歴史

戦国時代に突入すると、砂越氏は有力な武士集団の一つとして名を馳せました。特に、飽海郡の南に居を構える大宝寺氏と対立して、激しい争いを繰り広げました。嘉吉3年（1443年）には、砂越氏の当主である砂越氏信が合戦に敗れ、砂越城が落城。その結果、後を継ぐ者がいなかったため、矢口将監氏益が砂越氏の名跡を継いで再興しました。その後、文明10年（1478年）には、氏信の子である氏雄が砂越氏を引き継ぎ、室町幕府より信濃守に任命され、出羽飽海に3万石を与えられました。

氏雄は、信濃の守護職から出羽国においてもそれなりの地位を築いていましたが、彼の死後、砂越氏は再び困難に直面しました。特に、永正9年（1512年）の大宝寺澄氏との戦いでは、両者に甚大な損失をもたらしました。しかし、その翌年には街の支配を再度失い、砂越城は再び没落します。

再生の道のりを歩む砂越氏は、永正15年（1518年）に大宝寺氏の一族である氏維により二度目の再興を果たすこととなります。彼は大宝寺氏からの独立を目指し、両者の間には新たな緊張が生まれます。天文元年（1533年）に氏維は反撃を行い、大宝寺城を攻撃しましたが、一時的な和解で幕を下ろすこととなります。しかし再び戦闘が勃発し、砂越氏は最終的に大宝寺氏の影響下に入ることになります。

戦国時代末期とその後

戦国時代後期、砂越氏は大宝寺氏との関係が薄れ、陸の勢力である最上氏や安東氏との結びつきを強めていきます。特に、最上氏と安東氏の同盟の中で、砂越氏は重要な役割を果たします。最上氏の当主義氏が自害し、その後の混乱が訪れる中、砂越氏は安東氏に協力し、三春に下向することになります。

このように、砂越氏は出羽国の政治的な動乱の中で複数回の再興を遂げ、さまざまな勢力との関係を調整しながら歴史を生き抜いてきました。彼らは大宝寺氏に始まり、最終的には安東氏の傘下で今後の運命を共にすることになるのです。

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