最強最後のカラテ

『最強最後のカラテ』

『最強最後のカラテ』は、1980年1月19日に公開された日本のドキュメンタリー映画で、空手を題材としています。この作品は、空手の魅力やその技術を多角的に捉え、観客に空手道の奥深さを伝える試みがなされています。製作は三協映画、配給は東映洋画が担当しました。

本作は、週刊少年チャンピオンに連載されていた梶原一騎による原作を基にした映画であり、梶原自身にとって唯一の監督作品でもあります。彼は、以前に制作された『地上最強のカラテ』（1976年）や『地上最強のカラテ2』（1976年）と続く「極真カラテ映画三部作」の一角を成しています。

制作の背景

本映画は、1979年11月に東京の日本武道館で開催された「第二回オープントーナメント全世界空手道選手権大会」に焦点を当てています。この大会は、世界中の空手家が集まり、競技を通じて交流を図る重要なイベントであり、本作はその模様を追う形で撮影されました。

映画の撮影は1979年の5月から8月にかけて行われ、約300日間にわたるロケーションが行われました。ロケ地は21カ国の28箇所に及び、世界の格闘技を広範に網羅しています。制作費は6億円に達し、当時の東映社長岡田茂は外部資本の取り込みを図っていたため、梶原に対しても資金面で支援したと言われています。特に、梶原は岡田から1億5,000万円を借りたとされています。

スタッフとキャスト

映画の制作に携わったスタッフには、監督・原作としての梶原一騎のほか、製作には梶原と川野泰彦が名を連ねています。また、製作総指揮には大山倍達が参与しており、これが作品の信頼性を高めています。撮影を担当したのは木村公明、音楽は渡辺岳夫が手がけました。編集は白江隆夫が行い、ナレーションには高橋昌也が起用されています。

キャストには中村誠や三瓶啓二、ウィリー・ウィリアムス、東孝、ハワード・コリンズ、ケニー・ウーテンボガードといった多様な顔ぶれが揃っています。

興行状況

『最強最後のカラテ』は、公開当初、東映が東京都内に持っていた洋画系劇場の丸の内東映パラス、新宿東映パラス、浅草東映パラスの3館と、その他の劇場での一本立て公開が行われました。また、地方の劇場ではイタリア映画『ブラッフ』との併映が行われるなど、公開戦略も工夫されていました。

この映画は、空手愛好者だけでなく、格闘技に興味のある人々にとっても興味を引く内容となっており、製作の舞台裏やその情熱が交錯する様子を感じ取ることができる貴重な作品です。

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