最後の約束の物語
『最後の約束の物語』は、2011年4月28日にイメージエポックより発売されたPlayStation Portable用ソフトです。
本作は、イメージエポックがパブリッシャーとして初めて手掛けたタイトルであり、同社の「JRPG」ブランドを象徴する作品の一つです。「JRPG」とはJapanese RPGの略で、本作は古典的な日本製RPGの特徴であるコマンド選択式のバトルシステムを重視しています。また、東日本大震災後の発売であったことから、ダウンロード版はチャリティーダウンロード版として提供され、売上の一部が日本赤十字社を通して被災地への義援金として寄付されました。
物語には多くの謎が散りばめられており、例えば、主人公の敵対者であるベロア公爵の真意や、機械兵士のみで構成される侵略者サヴィ・シャンティエの本陣の所在など、その全貌はゲーム内では語られず、他のメディアでの展開を視野に入れた設定となっています。しかし、イメージエポックは過去に続編を制作する例が少なかったため、本作の続編の可能性については社内でも意見が分かれている状況です。
ゲームのシナリオは、任務を受けて一定時間が経過することで進行します。物語は、仲間の生存数や、キャラクターが持つ「最後の約束」の有無によって変化するマルチエンディング方式を採用しています。
本作に登場する敵キャラクターは、明確な敵対心を持っており、行動前にどのキャラクターを狙っているかを知ることができます。バトル中は、この敵対心のゲージの増減や攻撃対象の変化に注意しながらコマンドを選択し、攻撃を向けられているキャラクターをコントロールする必要があります。これは、MMOなどで「ヘイト」と呼ばれる概念に近いもので、一般のゲームではあまり見られない、目に見える形で敵対心が表示されるシステムが特徴です。
各キャラクターには、生命力を表すSP（スピリットポイント）が設定されており、バトル中にSPが0になると「イーリアの秘法」という自爆技を発動して、そのキャラクターはロスト（消滅）してしまうというシステムになっています。
物語の舞台は、魔導の力によって繁栄したユグドラ王国です。ユグドラの民は生まれながらに魔導の力を持っており、王都ファルエデンを中心に栄華を誇っていました。しかし、突如として新興国家である機械帝国サヴィ・シャンティエの機械兵（鋼機兵）による襲撃を受け、3万もの人命が失われてしまいます。王国滅亡まであと1日という状況の中、わずか2000人となったユグドラの民の生き残りをかけ、王国直属のメサイア騎士団は、地平線まで続く鋼機兵の大群と戦い続けることになります。
しかし、精鋭ぞろいのメサイア騎士団の力をもってしても、もはや国を守りきれる状況ではありませんでした。そこで彼らは、王都の崩壊と引き換えに住民を脱出させる転移魔法陣の使用を決意します。その魔法陣を起動するために必要なのは、騎士が生涯に一度だけ交わせるという「最後の約束」でした。
ウォルフ・スティングレイ
声 - 神谷浩史
本作の主人公。幼い頃からレクレウル国王の側近を務め、亡き王の指名により神刀ザナドゥを譲り受ける。ザナドゥの所持者が代々メサイア騎士団の指揮官を務める慣わしから、新指揮官に就任する。魔導、剣術ともに卓越した才能を持つが、本人は無自覚。
セレグリアス・ティナ・ユグドラシル（セレス）
声 - 田村ゆかり
本作のメインヒロインでユグドラ王国の王女。レクレウルの妹でヨシュアの姉。ウォルフとは幼馴染の間柄。強い正義感とカリスマ性を持つ。ウォルフに恋心を抱いている。セレスのSPが0になるとゲームオーバーとなる。
ラシュディ・アグリオス
声 - 鈴木達央
メサイア騎士団の一員で弓の使い手。ウォルフとは親友である。強力な魔導力を持つ天才肌。
サーシャ・ベロア
声 - 茅原実里
メサイア騎士団の一員で鞭を使う。幼い頃から魔導の英才教育を受けて育った。活発で勝気な性格で、誰に対してもタメ口で話す。レクレウル国王を慕っていたため、彼を守れなかったウォルフに対して厳しく当たる。
ジャイロ・ムーア
声 - 小西克幸
メサイア騎士団の一員で銃を扱う。騎士団内では参謀と呼ばれている。士官学校では実技教官を務め、ウォルフやカインを指導したこともある。非常に冷静かつ合理主義者であり、任務遂行のためには非戦闘員の犠牲も厭わないため、仲間と衝突することもある。
カイン・ルテシア
声 - 梶裕貴
メサイア騎士団の一員で大剣を使う。1年前に騎士団に入った新人。士官学校を主席で卒業するほどの天才だが、自信過剰な面もある。熱血漢で、何かを犠牲にすることを嫌う。
マラルメ・テス
声 - 遠藤綾
メサイア騎士団の一員で短剣を使う。元は泥棒だったが、ある事件を機に改心して騎士団に入った。恋愛には非常に奔放で、ウォルフに対しては好意的な態度を見せる。
リゼット
声 - 喜多村英梨
メサイア騎士団の管制官。元メサイア候補生として士官学校を卒業したが、軍で戦闘管制官としての訓練を受け、メサイア騎士団各員のサポートを行う。職務には忠実で、理知的。実はウォルフに想いを寄せており、バッドエンドではその心中を知ることができる。
レクレウル
声 - 安元洋貴
ユグドラ王国の国王で、メサイア騎士団の指揮官も務める。セレスとヨシュアの兄。自らの命が残り少ないことを悟り、鋼機兵を道連れに戦死する。ウォルフの才能を早くから見出し、彼を直弟子として育てた。
ヨシュア
声 - 代永翼
メサイア騎士団の一員で、レクレウルとセレスの弟。王位継承権第1位。ヴァルキードの継承者。王族でありながら気さくな性格で、民からの人気が高い。戦いの中で致命傷を負い、セレスにヴァルキードを託して死亡する。
リカルド・ガント
声 - 杉田諒士
王国一の錬金術師。アイテム製作を担当する。大柄だが小心者で、アイニーには頭が上がらない。
アイニー・ルウニィ
声 - 上田のりこ
王国一の鍛冶職人。武具の製作を担当する。少女のような外見だが実年齢は20代半ばで、性格は姉御肌。
フーリオ
声 - 箭内仁
元メサイア候補生で、レイソニアを継承する予定だった。恋人マラルメの盗みに加担した咎で魔導を封じられ騎士団を追放された。今ではメサイアたちとは犬猿の仲。彼らの危機に際し、魔力を持たないことを利用して戦うが、魔力が込められた紋章を捨てていなかったことで攻撃を受けて死亡。
トビー
声 - 真壁かずみ
騎士に憧れる正義感の強い少年。メサイアたちの任務を助けるが、その途中で鋼機兵に襲われ死亡する。
ラン
声 - 上田のりこ
トビーの妹。両親と兄を失い心を閉ざすが、メサイアたちの献身的な行動を見て、兄の意志を継ぐ決意をする。
エグゼクティブプロデューサー - 御影良衛
プロデューサー - 宇田洋輔
ディレクター - 池大輔
シナリオ - 岸本みゆき、加藤陽一、上原りょうこ
キャラクターデザイン - 倉花千夏、村山圭太、藤井のぞみ
音楽 - GAINGAUGE、小池尚弘（Nek)、真鍋明義
主題歌 - The Last Promise
作詞 - ルシュカ、作・編曲 - 164
『最後の約束の物語 オラトリオメサイア』エンターブレイン、2012年8月、ISBN 978-4-04-728177-6
ファミ通コミッククリア連載の漫画化作品。さがら梨々・作。
『最後の約束の物語 オフィシャルコンプリートガイド』エンターブレイン、2011年6月、ISBN 978-4-04-727350-4
『最後の約束の物語 公式設定資料集』一迅社、2011年8月、ISBN 978-4-7580-1230-0
『最後の約束の物語 オリジナルサウンドトラック』ティームエンタテインメント (KDSD-00453)
* 公式サイト - ウェイバックマシン（2015年3月28日アーカイブ分）
概要
本作は、イメージエポックがパブリッシャーとして初めて手掛けたタイトルであり、同社の「JRPG」ブランドを象徴する作品の一つです。「JRPG」とはJapanese RPGの略で、本作は古典的な日本製RPGの特徴であるコマンド選択式のバトルシステムを重視しています。また、東日本大震災後の発売であったことから、ダウンロード版はチャリティーダウンロード版として提供され、売上の一部が日本赤十字社を通して被災地への義援金として寄付されました。
物語には多くの謎が散りばめられており、例えば、主人公の敵対者であるベロア公爵の真意や、機械兵士のみで構成される侵略者サヴィ・シャンティエの本陣の所在など、その全貌はゲーム内では語られず、他のメディアでの展開を視野に入れた設定となっています。しかし、イメージエポックは過去に続編を制作する例が少なかったため、本作の続編の可能性については社内でも意見が分かれている状況です。
ゲームシステム
ゲームのシナリオは、任務を受けて一定時間が経過することで進行します。物語は、仲間の生存数や、キャラクターが持つ「最後の約束」の有無によって変化するマルチエンディング方式を採用しています。
敵対心
本作に登場する敵キャラクターは、明確な敵対心を持っており、行動前にどのキャラクターを狙っているかを知ることができます。バトル中は、この敵対心のゲージの増減や攻撃対象の変化に注意しながらコマンドを選択し、攻撃を向けられているキャラクターをコントロールする必要があります。これは、MMOなどで「ヘイト」と呼ばれる概念に近いもので、一般のゲームではあまり見られない、目に見える形で敵対心が表示されるシステムが特徴です。
イーリアの秘法
各キャラクターには、生命力を表すSP（スピリットポイント）が設定されており、バトル中にSPが0になると「イーリアの秘法」という自爆技を発動して、そのキャラクターはロスト（消滅）してしまうというシステムになっています。
物語
物語の舞台は、魔導の力によって繁栄したユグドラ王国です。ユグドラの民は生まれながらに魔導の力を持っており、王都ファルエデンを中心に栄華を誇っていました。しかし、突如として新興国家である機械帝国サヴィ・シャンティエの機械兵（鋼機兵）による襲撃を受け、3万もの人命が失われてしまいます。王国滅亡まであと1日という状況の中、わずか2000人となったユグドラの民の生き残りをかけ、王国直属のメサイア騎士団は、地平線まで続く鋼機兵の大群と戦い続けることになります。
しかし、精鋭ぞろいのメサイア騎士団の力をもってしても、もはや国を守りきれる状況ではありませんでした。そこで彼らは、王都の崩壊と引き換えに住民を脱出させる転移魔法陣の使用を決意します。その魔法陣を起動するために必要なのは、騎士が生涯に一度だけ交わせるという「最後の約束」でした。
キャラクター
プレイヤーキャラクター
ウォルフ・スティングレイ
声 - 神谷浩史
本作の主人公。幼い頃からレクレウル国王の側近を務め、亡き王の指名により神刀ザナドゥを譲り受ける。ザナドゥの所持者が代々メサイア騎士団の指揮官を務める慣わしから、新指揮官に就任する。魔導、剣術ともに卓越した才能を持つが、本人は無自覚。
セレグリアス・ティナ・ユグドラシル（セレス）
声 - 田村ゆかり
本作のメインヒロインでユグドラ王国の王女。レクレウルの妹でヨシュアの姉。ウォルフとは幼馴染の間柄。強い正義感とカリスマ性を持つ。ウォルフに恋心を抱いている。セレスのSPが0になるとゲームオーバーとなる。
ラシュディ・アグリオス
声 - 鈴木達央
メサイア騎士団の一員で弓の使い手。ウォルフとは親友である。強力な魔導力を持つ天才肌。
サーシャ・ベロア
声 - 茅原実里
メサイア騎士団の一員で鞭を使う。幼い頃から魔導の英才教育を受けて育った。活発で勝気な性格で、誰に対してもタメ口で話す。レクレウル国王を慕っていたため、彼を守れなかったウォルフに対して厳しく当たる。
ジャイロ・ムーア
声 - 小西克幸
メサイア騎士団の一員で銃を扱う。騎士団内では参謀と呼ばれている。士官学校では実技教官を務め、ウォルフやカインを指導したこともある。非常に冷静かつ合理主義者であり、任務遂行のためには非戦闘員の犠牲も厭わないため、仲間と衝突することもある。
カイン・ルテシア
声 - 梶裕貴
メサイア騎士団の一員で大剣を使う。1年前に騎士団に入った新人。士官学校を主席で卒業するほどの天才だが、自信過剰な面もある。熱血漢で、何かを犠牲にすることを嫌う。
マラルメ・テス
声 - 遠藤綾
メサイア騎士団の一員で短剣を使う。元は泥棒だったが、ある事件を機に改心して騎士団に入った。恋愛には非常に奔放で、ウォルフに対しては好意的な態度を見せる。
その他の人物
リゼット
声 - 喜多村英梨
メサイア騎士団の管制官。元メサイア候補生として士官学校を卒業したが、軍で戦闘管制官としての訓練を受け、メサイア騎士団各員のサポートを行う。職務には忠実で、理知的。実はウォルフに想いを寄せており、バッドエンドではその心中を知ることができる。
レクレウル
声 - 安元洋貴
ユグドラ王国の国王で、メサイア騎士団の指揮官も務める。セレスとヨシュアの兄。自らの命が残り少ないことを悟り、鋼機兵を道連れに戦死する。ウォルフの才能を早くから見出し、彼を直弟子として育てた。
ヨシュア
声 - 代永翼
メサイア騎士団の一員で、レクレウルとセレスの弟。王位継承権第1位。ヴァルキードの継承者。王族でありながら気さくな性格で、民からの人気が高い。戦いの中で致命傷を負い、セレスにヴァルキードを託して死亡する。
リカルド・ガント
声 - 杉田諒士
王国一の錬金術師。アイテム製作を担当する。大柄だが小心者で、アイニーには頭が上がらない。
アイニー・ルウニィ
声 - 上田のりこ
王国一の鍛冶職人。武具の製作を担当する。少女のような外見だが実年齢は20代半ばで、性格は姉御肌。
フーリオ
声 - 箭内仁
元メサイア候補生で、レイソニアを継承する予定だった。恋人マラルメの盗みに加担した咎で魔導を封じられ騎士団を追放された。今ではメサイアたちとは犬猿の仲。彼らの危機に際し、魔力を持たないことを利用して戦うが、魔力が込められた紋章を捨てていなかったことで攻撃を受けて死亡。
トビー
声 - 真壁かずみ
騎士に憧れる正義感の強い少年。メサイアたちの任務を助けるが、その途中で鋼機兵に襲われ死亡する。
ラン
声 - 上田のりこ
トビーの妹。両親と兄を失い心を閉ざすが、メサイアたちの献身的な行動を見て、兄の意志を継ぐ決意をする。
スタッフ
エグゼクティブプロデューサー - 御影良衛
プロデューサー - 宇田洋輔
ディレクター - 池大輔
シナリオ - 岸本みゆき、加藤陽一、上原りょうこ
キャラクターデザイン - 倉花千夏、村山圭太、藤井のぞみ
音楽 - GAINGAUGE、小池尚弘（Nek)、真鍋明義
主題歌 - The Last Promise
作詞 - ルシュカ、作・編曲 - 164
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『最後の約束の物語 オラトリオメサイア』エンターブレイン、2012年8月、ISBN 978-4-04-728177-6
ファミ通コミッククリア連載の漫画化作品。さがら梨々・作。
『最後の約束の物語 オフィシャルコンプリートガイド』エンターブレイン、2011年6月、ISBN 978-4-04-727350-4
『最後の約束の物語 公式設定資料集』一迅社、2011年8月、ISBN 978-4-7580-1230-0
『最後の約束の物語 オリジナルサウンドトラック』ティームエンタテインメント (KDSD-00453)
外部リンク
* 公式サイト - ウェイバックマシン（2015年3月28日アーカイブ分）
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