月刊コミコミ

月刊コミコミ

『月刊コミコミ』（げっかんコミコミ）は、1983年から1988年にかけて白泉社が発行していた月刊漫画雑誌です。これは、白泉社が手がけた唯一の男性向け雑誌である『少年ジェッツ』を前身としており、独自のスタイルで多様な作品を送り出しました。

歴史と概要

本誌は1983年3月に創刊され、同年5月号から正式に発行を開始しました。しかし、1988年10月に12月号をもってその活動を終えることとなります。『月刊コミコミ』は、他の中堅少年誌と比較してメディアミックスの流れが薄く、アニメ化やゲーム化された作品は限定的でした。対照的に、当時存在した『月刊少年キャプテン』や『月刊コミックNORA』などは、メディアミックスのブームに乗り、長く続くことになりました。

『月刊コミコミ』の休刊後は、『月刊アニマルハウス』としてリニューアルされ、こちらは青年誌という新しいカテゴリーに改変されました。この転換により、誌面は『ベアーズクラブ』などといった新たな競合誌との競争に直面することになりました。

掲載されていた作品の中には、未完に近い形で中断されたものも多く見られました。特に『エルフ・17』や『妖怪始末人トラウマ!!』など、これらの作品は他の雑誌で新シリーズが発表されることなく、長い間放置されてしまいました。しかし、『ベルセルク』については、本誌での新人賞受賞作をリメイクし、『月刊アニマルハウス』で連載が開始され、結果的に『ヤングアニマル』でも続くことになりました。さらに、連載が中断されていた『低俗霊狩り』も、後に『ヤングアニマル』で再開されました。

主な掲載作品

本誌にはさまざまな有名な漫画家の作品が掲載されました。柴田昌弘の『スレッジ』や『ラブ・シンクロイド』、真鍋譲治の『アウトランダーズ』、山本貴嗣の『エルフ・17』などがその代表例です。また、士郎正宗の『ドミニオン』や奥瀬早紀の『低俗霊狩り』も幅広い支持を集めました。

名作を生み出した作家陣には、田中雅人や南里こんぱる、松野乱といった多くの才能が名を連ねています。特に士郎正宗の作品は、その後もアニメや漫画として大きな影響を与えることになりました。

影響と遺産

『月刊コミコミ』の存在は、後の漫画界においても大きな影響を及ぼしました。特に、月刊アニマルハウスやヤングアニマルといった後継誌が生まれるきっかけとなり、さらには数々の名作が次世代の漫画として受け継がれることになったのです。2000年8月には、「コミコミ復活委員会」により、当時の作家による自主制作の復刻版同人誌が発行され、当時の作品を再度楽しむ機会も提供されました。

また、本誌には季刊の漫画雑誌『コミック読本SF大特集』が関連して刊行され、当時の人気作家たちの作品が集められました。このように、『月刊コミコミ』は単なる漫画雑誌に留まらず、漫画界における一時代を築き上げた重要な存在であったと言えるでしょう。

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