月刊マイコン

『月刊マイコン』は、電波新聞社が1977年8月から1995年4月にかけて発行していたパソコン雑誌です。パソコンが「マイコン」と呼ばれていた時代に、日本のマイコン雑誌の中でも初期に創刊された雑誌の一つとして知られています。

1977年8月に創刊され、当初は隔月刊でしたが、同年12月号から月刊誌となりました。1980年前後には、『I/O』『月刊アスキー』『RAM』と並び、マイコン雑誌の「4大雑誌」と称されました。その中でも『月刊マイコン』は、広告掲載が多くカタログ的な側面が強かったため、他の雑誌に比べて地味な印象を持たれることもありました。しかし、創刊号の発行部数が1万部だったのに対し、1978年には実売2万6000部を記録するなど、読者からの支持は厚かったと言えるでしょう。

『月刊マイコン』の最大の特徴は、読者コーナーである「マイコンポスト」のユニークさにありました。編集長、編一、編二、編三（関西弁でオチ担当）、マイコン博士といったキャラクターたちが、漫才のような掛け合い形式で読者からの投稿や質問に答えるスタイルは、他の雑誌にはない魅力でした。この読者参加型のコーナーは、電波新聞社の先輩雑誌であるエレクトロニクス誌『ラジオの製作』（通称『ラ製』）や、兄弟誌のプログラミング誌『マイコンBASICマガジン』（通称『ベーマガ』）にも受け継がれていきました。

1980年代に入ると、『ベーマガ』がゲーム記事やプログラムリストに特化したことで人気を集め、「電波新聞社のパソコン雑誌」の代表的な存在となりました。一方で、『月刊マイコン』は競合誌である『I/O』や『アスキー』と比較して、記事内容での独自性を打ち出すことができませんでした。1980年代後半からは、「マイコンポスト」の延長線上で、多部田俊雄氏などの同人サークル系のライターが、娯楽系の記事を担当するようになり、読者投稿誌としての色合いを強めていきました。また、漫画家の村田蓮爾氏が初期に商業誌での執筆を行った雑誌としても知られています。

1990年代に入ると、雑誌の売り上げは低迷し、1992年9月号から誌面サイズをB5からA4へ大型化し、誌名も「My Computer Magazine」に変更しましたが、状況を打開することはできず、休刊となりました。

関連人物:
多部田俊雄
松田浩二
浅美裕子
森巧尚
FURU
猪野清秀
* 村田蓮爾

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