有地新影流

有地新影流の概要と歴史

有地新影流（ありちしんかげりゅう）は、日本の伝統的な剣術流派で、その起源は柳生家から始まります。特に、大野松右衛門（柳生観信）は、この流派の重要な伝承者の一人であり、新陰流を福岡藩に普及させた立役者です。彼は柳生宗厳の高弟として知られ、さらに穴沢浄見から新当流長太刀（または薙刀術）を学びました。最終的に彼は新陰流の印可を受け、名を柳生に改めることを許可されました。

印可を受けた後、大野松右衛門は弟子である有地元勝と共に西国、特に萩藩や福岡藩に赴き、新陰流の移転と普及に努めました。元勝は引き続き、萩を拠点に九州各地で新陰流の普及に心血を注ぎました。

有地元勝の世代で流派は2つの系統に分岐しました。一方は有地就信が受け継ぎ、もう一方は有地元貞が引き継ぎました。両者とも福岡藩に仕官し、剣術師範としてその地位を確立します。また、有地就信は新当流長太刀も福岡藩に伝えました。これにより、新陰流は多様な戦術を含む流派となり、小太刀術や居合術、無刀取、短杖術、鉄扇術など、幅広い技術が伝承されてきたのです。

さらに一部の系統では愛洲陰流も併伝されていることが知られています。

現在の団体

1997年には蒲池則の死去を受け、長岡鎮廣が第14代宗家に就任しました。そして「福岡黒田藩伝柳生新影流兵法」と称する柳心会が活動を開始しました。また、1981年には蒲池則から独立を許可された「西国柳生新影流兵法（錬心館）」も設立され、1997年には同様に認可された「広島柳生新陰流兵法（柳新会）」が設立されるなど、多様な団体が受け継いでいます。

そのほかにも「柳生新影流兵法」と名乗る団体がいくつか存在しており、例えば第11代宗家の三宅源七が分派した系統の「勢州会」、第13代宗家の蒲池則の高弟たちによる「平成会」や「岡尾塾」、第14代宗家の長岡鎮廣のもとで設立された「荒津会」が活動しています。

まとめ

有地新影流はその長い歴史と深い伝統を持ち、現代においても多くの団体がその技術を継承しています。新陰流を基盤としながらも、様々な技術や流派と融合し、独自の形で発展を続けています。この流派は、単なる武道としての側面だけでなく、日本の文化や精神を体現する重要な役割を果たし続けているのです。

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