有島生馬記念館

有島生馬記念館：鎌倉から信州へ移築された歴史的建造物

長野県長野市信州新町上条に位置する有島生馬記念館は、文筆家として知られる有島生馬の旧宅を移築した博物館です。元々は、イタリア人貿易商が鎌倉稲村ヶ崎に建てたコロニアル様式の邸宅でしたが、その後、有島生馬が1921年に購入し、家族と共に生活の場としていました。

生馬の死後、邸宅は娘である暁子氏が住んでいましたが、老朽化のため取り壊しが決定。そこで、生馬が疎開していた信州新町への移築が実現しました。信州新町は、生馬が水内ダムのダム湖を「琅鶴湖」と命名するなど、深い繋がりを持つ土地です。地元住民の寄付金も集まり、1982年10月、琅鶴湖畔に記念館が誕生しました。

鎌倉の邸宅から信州新町へ：移築の経緯

記念館の建物は、明治時代に建てられた歴史あるコロニアル様式の邸宅です。当初はイタリア人貿易商の住宅として使用されていましたが、有島生馬がその魅力に惹かれ、購入。改修を経て、生馬一家はここで暮らしました。生馬の没後も、娘である暁子氏が住んでいましたが、建物の老朽化が深刻になり、取り壊しが決定しました。

しかし、生馬と信州新町との深い繋がりを考慮し、信州新町への移築が計画されました。町内外からの多くの寄付金によって、移築と記念館の建設が実現しました。現在、記念館は琅鶴湖の美しい景観に囲まれ、多くの来館者を迎えています。

併設施設：信州新町美術館と信州新町化石博物館

有島生馬記念館は、信州新町美術館、信州新町化石博物館と一体的に運営されています。2010年の市町村合併により、これらの施設は長野市立博物館の分館となりました。

信州新町美術館は、地元の芸術文化を紹介する施設です。ミュゼ蔵と呼ばれる別館も併設されており、多様な展示が楽しめます。一方、信州新町化石博物館は、地元出身の考古学者、西沢勇氏によって設立されました。地域で発掘された貴重な化石を展示し、地域の自然史を学ぶことができます。実物大のディプロドクス像や、新町博士ロボによる解説など、子どもにも魅力的な展示が充実しています。ワークショップなども開催され、地域住民との交流の場ともなっています。

アクセスと利用案内

有島生馬記念館へのアクセスは、車、高速道路、電車、バスなど様々な方法があります。国道19号沿いに位置し、長野市内、安曇野市、大町市からも比較的容易にアクセスできます。最寄りのJR東日本長野駅からバスを利用することも可能です。

開館時間は9:00～16:30（入館は16:00まで）、休館日は毎週月曜日（月曜が祝日の場合は翌日）、祝日の翌日です。入館料は、大人500円、高校生300円、小中学生200円です。20名以上の団体割引もあります。また、有島生馬記念館、信州新町美術館、信州新町化石博物館の3施設共通券が利用できます。

まとめ：歴史と自然と文化が融合する施設

有島生馬記念館は、歴史的建造物としての価値、有島生馬の生涯を知る上での重要性、そして併設施設との連携による多様な魅力を兼ね備えた施設です。琅鶴湖の美しい自然に囲まれた環境も相まって、心に残る体験を提供しています。歴史、文化、自然に興味のある方はもちろん、家族連れにもおすすめです。

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