有沢正子

有沢正子：映画とテレビを彩った女優の半生

有沢正子（ありさわ まさこ）は、1937年1月6日、東京市渋谷区千駄ヶ谷に生まれた日本の女優です。本名は篠山正子。幼少期は栃木県足利市で過ごし、足利女子高等学校卒業後に芸能界入りします。高校在学中にはシオノギ製薬のポポンSのCMに出演し、ミス松竹に選ばれたことで、松竹へ入社。

1957年、木下惠介監督の映画『喜びも悲しみも幾歳月』で女優デビューを果たしました。高峰秀子、佐田啓二と共演し、高峰秀子に似た美貌で注目を集め、その後も数々の松竹映画に出演し活躍します。

1960年には、大映に移籍。大映社長・永田雅一の所有する大毎オリオンズのスター選手、山内一弘にちなんで芸名を山内敬子に改名します。大映ではいくつかの作品に出演するものの、1961年には大映を退社し、芸名を有沢正子に戻します。

大映退社後は、テレビドラマを中心に活躍の場を移します。昼ドラなどに出演し、お茶の間の人気者として親しまれていました。1968年以降は再び映画界へも復帰し、幅広いジャンルの作品に出演しています。1977年からは銀座でバーを経営するなど、女優業以外の活動にも挑戦しました。

私生活では、1961年に結婚し、一女をもうけますが、のちに離婚。娘の篠山葉子も女優として1980年代に活躍しましたが、現在は芸能界を引退しています。興味深いことに、1986年に木下惠介監督がリメイクした『新・喜びも悲しみも幾歳月』では、有沢正子と同様に燈台守の娘役として娘の篠山葉子が共演しています。

有沢正子の出演作品は多岐に渡ります。代表作である『喜びも悲しみも幾歳月』をはじめ、『風前の灯』『白い炎』『若い広場』など、数多くの松竹映画に出演。大映時代には『女は夜化粧する』『女は二度生まれる』などに出演し、活動の幅を広げました。テレビドラマでも『鉄道公安36号』『七人の刑事』『特別機動捜査隊』『水戸黄門』『キイハンター』『サインはV』など、数多くの作品に出演し、幅広い役柄を演じきりました。

有沢正子のキャリアは、映画、テレビドラマと時代とともに変化し、その活躍は多様でした。大スターとの共演から、テレビドラマにおける個性的な役柄まで、様々な挑戦を通して女優としての才能を開花させました。そして、晩年はバー経営に専念するなど、芸能界以外の分野にも積極的に挑戦し、豊かな人生を送っています。彼女の女優人生は、日本の映画史、そしてテレビドラマ史に名を刻む、輝かしいものでした。

主な出演作品（抜粋）

映画
喜びも悲しみも幾歳月 (1957年、松竹)
風前の灯 (1957年、松竹)
白い炎 (1958年、松竹)
女は夜化粧する (1960年、大映)
女は二度生まれる (1961年、大映)
愛と誠 (1974年、松竹)
続・愛と誠 (1975年、松竹)

テレビドラマ
三百六十五夜 (1961年、NTV)
鉄道公安36号 (1963年・65年、NET)
七人の刑事 (1966年、TBS)
特別機動捜査隊 (NET)
キイハンター (1968年・69年、TBS)
サインはV (1969年〜1970年、TBS)
水戸黄門 (1964年〜1965年、TBS)

※上記はほんの一例であり、有沢正子はこれ以外にも多数の作品に出演しています。

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