有田陶磁美術館

有田陶磁美術館は、佐賀県西松浦郡有田町に位置する、陶磁器を専門とする町立美術館です。その建物は、明治時代の初めに建てられた石造りの焼き物倉庫を改築したもので、2階建ての重厚な造りが特徴です。1954年5月1日に開館し、当初は陶磁器の収集、保存、展示に加え、窯業に関する資料の収集、整理、研究を通して美術史、産業史を紹介していました。

しかし、近隣に類似の施設が相次いで開館したため、現在ではその役割を有田陶磁の歴史を概観できる優品の収蔵展示に特化しています。収蔵品は、有田陶磁創始期の17世紀初頭から現代のものまでと幅広く、多様な作品を鑑賞することができます。中でも、幕末から近代にかけての作品は特に充実しており、有田焼の歴史的な変遷を深く理解する上で貴重な資料となっています。

主な収蔵品

染付有田皿山職人尽し絵図大皿（佐賀県重要文化財）：有田における磁器の原料土採取から、土つくり、成形、施釉、焼成などの製造工程が詳細に描かれた大皿です。有田焼の製造工程を知る上で非常に貴重な資料であり、その精巧な描写は美術品としても高く評価されています。
色絵狛犬（佐賀県重要文化財）：色鮮やかな色絵が施された狛犬です。有田焼の高度な技術と美意識を示す作品として、重要な文化財に指定されています。

基礎データ

所在地：佐賀県西松浦郡有田町大樽1-4-2

交通：
JR九州佐世保線上[[有田駅]]下車徒歩15分
JR九州佐世保線有田駅からコミュニティバス「札の辻」下車徒歩5分

関連情報

有田焼：有田陶磁美術館で展示されている陶磁器は、有田焼として知られています。その歴史と技術に触れることで、有田焼への理解を深めることができます。
伊万里焼：有田焼と並び、佐賀県を代表する陶磁器である伊万里焼も、有田陶磁美術館の展示内容と関連があります。有田焼と伊万里焼の違いにも注目してみると、より一層興味深く鑑賞できるでしょう。
有田陶器市：毎年開催される有田陶器市は、多くの陶磁器ファンで賑わいます。有田陶磁美術館を訪れた後に、陶器市に足を運んでみるのも良いかもしれません。
有田町有田内山伝統的建造物群保存地区：有田陶磁美術館は、この保存地区内に立地しています。周辺には歴史的な建物が数多く残っており、散策を楽しむこともできます。

外部リンク

有田陶磁美術館

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