有賀寿

有賀 寿の生涯と業績

有賀 寿（ありが ひさし）は1926年2月7日に大阪で生まれ、2015年8月24日に肺炎により89歳で亡くなるまで、日本の福音派において重要な役割を果たした牧師であり著作家です。彼の生涯は、信仰の拡大と文書による伝道に尽力したものでした。彼は特にキリスト教徒の学生運動に深く関わり、その影響は現在も続いています。

初期の経歴と学生運動

1948年、有賀は東京師範学校（現在の筑波大学の前身）を卒業。同校の研究科に在籍中、キリスト者学生会（KGK）の設立者である尾山令仁と共に、KGKの活動に取り組みました。KGKは早稲田大学で始まった学生運動であり、海外のキリスト者学生団体であるIVCF（国際キリスト教徒学生連盟）とも交流がありましたが、IVCFの一部となることはありませんでした。

ところが、1949年には東京高等師範学校の研究科を中退後、東京神学塾に進学し、後に同塾の教師となりました。さらに彼はオランダのアムステルダム自由大学に留学することで、国際的な視野を広げました。

キリスト者学生会への貢献

1956年にはキリスト者学生会の主事に任命され、1962年には総主事に就任しました。彼のリーダーシップのもと、組織の活動が活発化し、多くの若者が信仰を深める機会が与えられました。1971年に彼は総主事を辞任し、その後1975年から1986年まで日本長老教会日本福音長老教会西船橋キリスト教会に長老として仕え、その後牧師に就任しました。さらに中会議長としても活動しました。

文書伝道への参加

1974年以降、有賀はフリーですぐ書房で文書伝道に携わり、数多くの著作を発表しました。彼の著書は信徒に対する信仰の教えや礼拝の大切さを伝える内容が多く、今なお読まれ続けています。著作には『家庭礼拝の教え』や『主日礼拝』、また翻訳作業にも力を入れ、ジョン・ストットの『信仰入門』や『地の塩世の光』など、日本語に訳された著作も多数あります。

彼の遺産

有賀の活動は、福音派の信仰を広める大きな影響を与え続けており、彼の著作や翻訳は多くの人々の心に残り続けています。2010年にはすぐ書房が36年の歴史に幕を下ろしましたが、彼の信仰に根ざしたメッセージは今でも多くの人に届いています。

有賀寿はその生涯を通じ、信徒への教育や指導を通じて信仰を深めることに尽力し、多大な成果を残しました。彼の使命感は、翌世代への大切な教えとして引き継がれています。

もう一度検索