有賀貞一

有賀貞一：情報技術の先駆者、その足跡

有賀貞一氏は、日本の情報技術界を牽引してきた著名な技術者、そして実業家です。そのキャリアは、単なる企業の経営者という枠を超え、情報サービス産業の発展、人材育成、さらには社会貢献にまで及んでいます。ここでは、彼の輝かしい経歴と、社会に与えた影響について詳しく解説します。

学生時代から情報技術へ

1966年、東京都立立川高等学校理数科進学コースを卒業後、1970年に一橋大学経済学部を卒業。大学時代は、計量経済学や数理統計学を専攻し、コンピュータ・クラブでコンピュータに関する知識を深めました。この頃から情報技術への関心を高めていったことが伺えます。

野村電子計算センターでの飛躍

大学卒業後、野村電子計算センターに入社し、システムエンジニアとしてのキャリアをスタート。1976年には特種情報処理技術者試験に合格し、29歳という若さで情報処理技術者試験委員に就任。後に試験委員長も務めるなど、その能力は高く評価されていました。

1990年には野村総合研究所取締役に最年少で昇格。その後も常務取締役を歴任するなど、着実にキャリアを積み重ねていきました。

CSKグループでの挑戦

1997年、有賀氏はCSK（現SCSK）に専務取締役として入社。2000年には代表取締役副社長に就任し、経営の中枢を担いました。2005年にはCSKホールディングスの代表取締役に就任し、情報サービス産業協会の副会長も兼務。業界全体の発展に尽力しました。

経済産業省の委員会や情報処理推進機構での活動を通じて、ITスキル標準の改訂にも貢献。その功績が認められ、2007年には経済産業大臣表彰（情報化促進部門）を受賞しました。

多岐にわたる分野での活躍

CSKを退任後も、ミスミグループ本社代表取締役副社長、リアルワールド取締役会長など、様々な企業の要職を歴任。AITコンサルティング代表取締役、日本イノベーション融合学会会長なども務め、幅広い分野でその手腕を発揮しました。

晩年も、中央電力取締役、アイスリーデザイン顧問・取締役などを務め、2016年からはリアルワールド取締役会長に就任しました。

社会貢献と教育への情熱

有賀氏の活動は、ビジネスの領域にとどまりません。ベリサーブ取締役、一橋大学非常勤講師、東京工業大学非常勤講師、岩手県立大学理事、岩手県研究開発評価委員など、教育機関や研究機関での活動にも積極的に参加。次世代の人材育成にも力を注ぎました。

SaveCatsFoundation代表理事、ITコーディネータ協会理事等も歴任し、社会貢献活動にも積極的に参加しました。

有賀貞一氏は、情報技術者、実業家として、日本の情報化社会の発展に大きく貢献しました。その多岐にわたる活動は、多くの人々に影響を与え、これからもその功績は語り継がれていくことでしょう。

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