有馬忠頼

有馬忠頼（ありま ただより）

有馬忠頼は、筑後久留米藩の第2代藩主であり、久留米藩有馬家の中で3代目にあたります。彼は1603年に生まれ、初代藩主である有馬豊氏の次男として育ちました。江戸城での元服を経て、将軍・徳川秀忠からの偏諱を受け、まずは「忠郷」と名乗ることとなりますが、後に「忠頼」に改名します。この元服の際に従四位下、中務大輔への叙任も受けており、武士としての立場を確立しました。

忠頼は若い頃から家族の影響下にありながらも、自身の道を進み、特に領地の開発や藩政に力を入れていきました。彼は寛永14年に参加した島原の乱での経験を活かし、寛永20年からは生葉郡星野村の金山開発に着手しました。これに加え、外国船の到来に備えて水軍の創設や治水工事、学問の奨励も行い、藩の基礎を築くために尽力しました。彼は要所での経済的発展を目指し、さまざまな施策を導入して藩の発展を図ったのです。

しかし、忠頼はその一方で粗暴で冷酷な性格を持っていたため、多くの逸話が残されています。とある時、西本願寺の宗徒が彼に無礼を働いたところ、西本願寺から東本願寺への転派を強要し、従わない寺社は壊滅させるような厳しい態度を取りました。このように、彼は厳格な統治を行い、その過程で百姓への厳しい年貢の取り立ても行なわれていました。
さらに、彼は家臣に対しても冷酷かつ残忍な行動をとることが多く、その結果として彼の周囲には不安感が漂っていたと伝えられています。

忠頼は結婚し、正室の玉蓮院との間に長男の頼利をもうけましたが、実子に恵まれず、養子の豊祐を迎え入れていました。しかし、実子である頼利が生まれると、忠頼は豊祐を事実上廃嫡に追い込むなど、家族内でも冷酷さを見せました。

彼の死は1655年3月20日、参勤交代の途中での病気によるもので、享年は53歳でした。しかし、死に際しては、日頃から忠頼に苦しめられた小姓の兄が忠頼を恨み、彼が洗顔中に背後から斬殺したという逸話も残っています。このように、彼の生涯は恐れと冷酷さを持ち合わせた統治者の姿を映し出しています。

跡を継ぐ長男の頼利は、その後の久留米藩政への影響を及ぼすことになります。忠頼の父は有馬豊氏であり、母は松平康直の娘である蓮姫です。彼の系譜は多くの人々に影響を与えましたが、その厳しさと冷酷さがどう評価されるかは、今後の歴史においても議論を呼ぶことでしょう。

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