望月信成

望月 信成 - 日本の美術史学者

望月信成（もちづきしんじょう、1899年6月14日 - 1990年5月28日）は、日本の美術史学者であり、美術の研究と文化財の保存に多大な功績を残した人物です。本稿では彼の生涯や業績、受賞歴について詳しく紹介します。

経歴

望月信成は1899年に京都府京都市に生まれました。彼は東京帝国大学の文学部美学美術史学科を卒業し、その後は大学院を京都帝国大学で学びました。1929年には大学院を修了し、同年の9月から恩賜京都国立博物館の鑑査員としてのキャリアをスタートさせました。

その後も彼のキャリアは順調に進展し、1931年には文部省帝国美術院付属美術研究所の嘱託として勤務を始め、1936年には大阪市美術館の主事に就任しました。彼の業績は、戦後も継続し、1949年には大阪市立美術館館長に任命され、1950年には大阪市立大学の教授にも就任しました。このように、彼は大阪の文化振興に多大な貢献をしていました。

1965年に大阪市立美術館を定年退職した後は、帝塚山学院大学の教授として次世代の育成にも力を注ぎました。また、彼は知恩院において文化財の保護にも注力し、1964年には大僧正に任命されるなど宗門でも重要な役割を果たしました。1990年には肝不全で亡くなりました。

委員・役員

望月信成は多くの委員や役員を務め、広く日本の文化財や美術の発展に寄与しました。彼の研究と活動は多岐にわたり、その影響は現在も続いています。

受賞・栄典

彼の業績が評価されたのは数多くの受賞によっても表われています。1966年には梅原猛や佐和隆研との共著『仏像・心とかたち』で毎日出版文化賞を受賞し、大阪市文化賞も受賞しました。さらに1970年には勲四等旭日小綬章を受章し、その功績が広く認められました。

研究内容・業績

彼は美術史学者として特に仏教美術や南画研究に強い関心を持ちました。博物館での経験を通じて文化財の保存と保護に努め、重要文化財の発見に携わるなど、美術鑑定においても実績を挙げました。彼の研究は関西の文化振興にも寄与し、その影響を強く持つものとなっています。

家族・親族

彼の父、望月信亨も仏教史学者として著名であり、『仏教大辞典』の著者でもありました。また、父は知恩院の管長をも務めたことから、望月信成も文化的な背景を持つ家庭で育ったことが伺えます。

著作

望月信成は多くの著作を残し、学術界に貢献しました。中でも著書としては

• - 『日本仏教美術史 望月信成集』 (昭和仏教全集) 1968年
• - 『法然上人絵大鑑』(井川定慶共編) 1932年
• - 『仏像 心とかたち』(正・続) (佐和隆研・梅原猛共著) 1965年などが挙げられます。

彼の研究成果や業績は日本の美術史において重要な位置を占めており、その影響は今もなお大きく、後世に受け継がれていくことでしょう。

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