望月玉川

望月玉川（もちづき ぎょくせん）

望月玉川は、寛政6年（1794年）に生まれ、嘉永5年3月6日（1852年4月24日）に没した、江戸時代後期の望月派を代表する絵師です。本名は輝、または重輝といい、字は子瑛、玉川、資清館などの号を用いていました。

生涯

京都で望月派二代目の絵師、望月玉仙の子として生まれました。しかし、翌年に父を亡くしたため、幼少の頃より村上東洲に師事し、その後、岸駒に師事して画法を学びました。文化6年（1809年）には、金沢城二の丸御殿の障壁画制作に岸駒の弟子として参加しています。

その後、長崎で過ごした時期を経て江戸に出府し、四条派の絵師である谷文晁の指導を受けました。玉川は、同じく四条派の呉春の画風に傾倒し、従来の望月派の画風を大きく刷新し、望月派三代目として一家を成しました。望月派の伝統に加え、岸派や四条派の画風も取り入れた、情緒豊かな山水花鳥画を得意とし、その名を知られました。

玉川の門弟には、実子の望月玉泉がいます。また、佐藤魚大も玉川の画風から影響を受けたとされています。

嘉永5年（1852年）に亡くなり、墓所は京都市東山区の大雲院にあります。

画風の特徴

望月玉川の画風は、望月派の伝統的な技法を基盤としながらも、岸派や四条派の要素を取り入れた、折衷的なものでした。特に、四条派の呉春の画風に影響を受け、より写実的で、情緒豊かな表現を追求しました。山水花鳥画を得意とし、自然の美しさを繊細な筆致で描き出しました。

主な作品

（作品名）
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参考文献

村上敬 「望月玉川《山水図》」『関西大学博物館紀要』第22号、2016年3月31日、pp.二八-三三

外部リンク

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