朝はどこから

「朝はどこから」は、1946年5月にコロムビアレコードから発売された日本のラジオ歌謡です。この曲は、朝日新聞が戦後の日本を励ますために行った懸賞応募で選ばれたもので、作詞は森まさる、作曲は橋本国彦が担当しました。歌唱は、当時コロムビアレコードのオーディションに合格したばかりの岡本敦郎と、安西愛子が担当しました。

1946年3月、敗戦直後の日本に希望を与えるため、朝日新聞は「健康的なホームソング」をテーマに全国から歌詞を募集しました。賞金1,000円という当時としては高額な賞金も用意され、10,526通もの応募が集まりました。その中から一等当選歌として選ばれたのが、この「朝はどこから」です。同時に、児童向けの曲「赤ちゃんのお耳」も一等当選となりました。

ラジオ歌謡の第2弾として、安西愛子が指導する東京放送合唱団の歌唱によってラジオで放送されました。この曲は、岡本敦郎のデビュー曲でもあり、彼の歌手としてのキャリアをスタートさせるきっかけとなりました。

「朝はどこから」は、その歌詞とメロディーが多くの人々の心に響き、戦後の復興期における日本の人々の希望と勇気を象徴する歌となりました。2006年には、文化庁と日本PTA全国協議会によって「日本の歌百選」にも選定され、その価値が改めて認められました。

曲について

この曲は、明るく希望に満ちたメロディーが特徴的で、戦後の日本において多くの人々に愛されました。歌詞は、新しい朝の始まりを象徴しており、希望に満ちた未来への期待を歌い上げています。

エピソード

岐阜県多治見市に本店を構える東濃信用金庫では、前身の多治見信用金庫時代から、一部店舗で朝7時になるとこの曲のインストゥルメンタルが店舗屋上の行名塔下にあるトランペットスピーカーから流れていました。これは、地域住民にとって目覚まし時計のような役割も果たし、親しまれていましたが、騒音問題も発生し、1980年代前半には廃止されました。

この曲は、ラジオを通じて日本全国に広まり、多くの人々の心に残り、戦後の日本を象徴する歌の一つとして、今日でも歌い継がれています。

参考文献

長田暁ニ『心にのこる日本の歌101選』株式会社ヤマハミュージックメディア、2007年4月20日、16-17頁。ISBN 9784636819809。

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