日本の歌百選

「日本の歌百選」は、文化庁と日本PTA全国協議会が共同で、2006年（平成18年）に選定した101曲の歌のコレクションです。これは、世代を超えて歌い継がれるべき童謡、唱歌、歌謡曲といった日本の抒情歌や愛唱歌を選び出したものです。選定の背景には、日本の豊かな音楽文化を次世代に伝えたいという願いがありました。

選定プロセスは、まず一般から歌の候補とその歌にまつわるエピソードを募集することから始まりました。2006年9月5日から11月17日までの期間に、6,671通（有効票は5,540通）もの応募があり、合計895曲の候補が集まりました。これらの候補曲の中から、選考委員会が慎重に選考を行い、最終的に101曲が選ばれました。選考結果は2006年12月15日に決定され、2007年1月14日に新国立劇場で発表と同時に、選ばれた歌を披露するコンサートも開催されました。

応募条件は、「日本語の歌詞」を持つ歌であることでした。そのため、海外で生まれた歌であっても、日本語の訳詞によって日本で広く親しまれている歌も含まれています。また、「百選」という名称がついていますが、選考の結果、どうしても絞りきれず、101曲が選定されることになりました。

選考委員会は、音楽界や教育界の著名な人物で構成されていました。委員長は伊藤京子氏（日本演奏連盟理事長）が務め、梅田昭博氏（日本PTA全国協議会会長）、扇谷勉氏（NHK解説委員）、近藤信司氏（文化庁長官）、たかたかし氏（日本作詩家協会理事長）、坪能由紀子氏（日本音楽教育学会会長）、坂東文昭氏（板橋区立常盤台小学校校長）、平尾昌晃氏（日本作曲家協会常務理事）、宗像昭男氏（青梅市立新町中学校校長）、安田祥子氏（声楽家）、由紀さおり氏（歌手）、湯山昭氏（日本童謡協会会長）といった各界の重鎮が選考に携わりました。さらに、河合隼雄氏（文化庁長官〔休職中〕）が選考委員会顧問として参加していました。

選ばれた101曲は、曲名の50音順にリスト化されています。また、作詞時期は、一般に広まっている歌詞の制作時期が記載されています。

さらに、この「日本の歌百選」とは別に、亀田製菓も設立40周年記念として「21世紀に残したい童謡・唱歌」を募集し、2000年（平成12年）1月に『日本の歌百選』という書籍を出版しました。この企画では、原田泰治氏の絵が添えられています。亀田製菓版の選考では、永六輔氏、服部克久氏、さだまさし氏、黒柳徹子氏、Toshl氏の5人が選者を務め、212,403通もの応募の中から100曲が選ばれました。文化庁と日本PTA全国協議会による「日本の歌百選」と亀田製菓による「日本の歌百選」の両方に選ばれた楽曲もいくつか存在します。

この選定を通して、日本の美しい歌が世代を超えて歌い継がれ、人々の心に深く刻まれることが期待されています。

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