朝日オープン将棋選手権

朝日オープン将棋選手権：棋戦の歴史と特徴

朝日オープン将棋選手権は、朝日新聞社が主催していた将棋の棋戦です。その前身は全日本プロ将棋トーナメントであり、2001年度に名称変更されました。本棋戦は、アマチュアの参加枠を拡大し、タイトル戦と同様の挑戦手合制を導入するなど、様々な改革が行われました。

概要

優勝者の称号は「朝日オープン選手権者」とされ、タイトル保持者、永世称号有資格者に次ぐ序列とされていました。優勝賞金は当時としては高額の2000万円であり、タイトル戦に準ずる棋戦として扱われていました。

仕組み

選手権者は、予選と本戦（挑戦者決定トーナメント）、五番勝負を経て決定されました。

参加資格: 全棋士、女流棋士2名（成績選抜）、アマチュア10名（朝日アマ名人と朝日アマ名人戦ベスト8以上、日本将棋連盟推薦1名）
予選: トーナメント方式で、通過者16名が本戦に進出
本戦: 予選通過者16名とシード者16名によるトーナメント。勝ち残った者が挑戦者となる
五番勝負: 選手権者と挑戦者が五番勝負を行い、勝利した者が新たな選手権者となる

シード選手

シード選手は、以下の優先順位で決定されました。

1. 前回ベスト4 + 挑戦手合いの敗者
2. 全日本プロから含めて複数回優勝者
3. 過去5年間の朝日オープン選手権者、挑戦者
4. タイトル保持者
5. 永世称号者
6. 過去1年間の全棋士参加棋戦優勝者
7. 過去1年間のタイトル戦出場者
8. 1～7に該当しない順位戦A級からの上位棋士

全日本プロ将棋トーナメント時代

朝日オープン将棋選手権の前身である全日本プロ将棋トーナメントは、1982年度から2000年度まで開催されました。全棋士が参加する公平な大会として知られ、第13回からは女流棋士、第18回からはアマチュアにも出場枠が設けられました。

決勝は五番勝負（第8回までは三番勝負）で行われ、持ち時間は各3時間でした。

プロアマ対戦

全日本プロ時代からアマチュア選手にも門戸が開かれ、朝日オープンとなってからは出場枠が10名に拡大されました。プロアマ一斉対局は、朝日杯将棋オープン戦に引き継がれています。

アマチュア選手の中には、プロ棋士を相手に勝利を収める者も現れました。山田敦幹は全日本プロ時代に3連勝、吉田正和は朝日オープンで3連勝し、後にプロ棋士となっています。

終焉とその後

朝日新聞社が名人戦の主催に加わったことで、朝日オープン将棋選手権は2006年度に終了しました。しかし、その精神は朝日杯将棋オープン戦に受け継がれ、現在も多くの将棋ファンに親しまれています。

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