朝明川

朝明川（あさけがわ）

朝明川は三重県北部を流れる河川で、二級水系の本流として重要な役割を果たしています。この川の源は鈴鹿山脈に位置する釈迦ヶ岳であり、自然豊かな鈴鹿国定公園内にある朝明渓谷を切り開きながら流れています。

地理

朝明川の上流部には、明治時代にオランダ人技師ヨハニス・デ・レーケの指導により築かれた「オランダ堰堤」や「なわだるみ堰堤」といった砂防堰堤群があります。これらは国の登録有形文化財として認められており、歴史的な価値が高いものです。また、1907年に開設された中部電力千草水力発電所は県内でも最古の発電所となっています。この地域では豊富な水資源を利用した発電活動が行われており、地域の経済に寄与しています。

中流域では多くの部分が砂底となっており、菰野町北部を北東に流れる途中で田光川などの支流と合流し、四日市市に達します。その後、朝明川は概ね東方向に流れ続け、川越町を経て伊勢湾へと注ぎ込みます。下流部では工業地帯が広がっており、特に河口左岸には中部電力川越火力発電所が位置しています。

地名について

「朝明」という名称は『和名抄』に記載された伊勢国の「朝明郡」に由来しています。伝説によれば、東征中の日本武尊がこの川の水で口をすすぎながら夜明けを迎えたというエピソードがその名の由来とされています。また、川越町は明治期の町村制施行により、朝明川を挟んで南北の村々が川を越えて合併したことにちなんで名付けられました。

流域の自治体

朝明川の流域には以下の自治体が含まれています：

• - 三重郡菰野町
• - 四日市市
• - 三重郡朝日町
• - 三重郡川越町

このように、複数の市町がこの川に接しており、地域住民の生活に密接に関連しています。

主な支流

朝明川には多くの支流が存在し、状態に応じて二級河川および準用河川として分類されています。下流側から順に管理されており、地域の水資源を支えています。

並行する交通

朝明川の流域には、いくつかの交通路が整備されています。例えば、三岐鉄道三岐線や三重県道26号四日市多度線（八風街道）、三重県道762号朝明渓谷線（千草街道）などがあり、地域の移動に便利です。他にも、三重県道621号永井保々停車場線、621号小牧小杉線、620号平津菰野線など、多様な交通手段が川の周辺にアクセスしています。

流域の観光地

朝明渓谷は観光名所としても知られており、多くの自然愛好者や観光客が訪れています。美しい渓谷の景観は、訪れる人々に癒しを提供しています。歴史と自然を享受できる場所として、地域の象徴とも言える存在です。

以上のように、朝明川は地域の自然環境や文化、経済活動と密接に結びついている重要な河川です。

もう一度検索