朝比奈親徳

朝比奈 親徳について

朝比奈 親徳（あさひな ちかのり）は、戦国時代に活躍した武将で、今川氏の家臣として知られています。彼は駿河朝比奈氏の2代目当主であり、庵原城の城主でもありました。親徳に関する記録は多岐にわたりますが、彼の実名に関しては異なる説が存在しています。特に『寛永伝』では「元長」という名が記されており、実際には彼の法名や彼が開基となった菩提寺の名前に由来するとされています。また、元長を息子の信置の初名と考える説もあり、信置は武田氏に仕官後に武田信玄から偏諱を受けることで改名したと考えられているのです。

略歴

親徳は、主君である今川氏親から偏諱を受け、駿河国で太原雪斎たちと並び家中での重鎮的存在となっていました。彼の家族も多くの戦に参加しており、特に天文17年（1548年）の小豆坂の戦いでは、一族の朝比奈泰能や彼の子である信置と共に戦っています。永禄2年（1559年）には関口親永と共に、松平元康（後の徳川家康）の後見人も務めており、安祥松平家や大給松平家など、松平氏一族や牧野氏への小指南役としても知られています。

永禄3年（1560年）には、桶狭間の戦いにおいて、尾張国の織田氏からの急襲に応戦しています。しかし、彼が討死したとされる多くの記録には誤りが存在し、実際には戦場を離れた後に今川義元の戦死を知り、深い悲しみに暮れたと言われています。このように、親徳の生涯は戦国時代の波乱に満ちたものでした。

親徳はその後も、今川氏真のもとで奉行人として活躍しましたが、1566年に亡くなりました。彼の死去は、家族や家臣にとって大きな損失であり、さまざまな影響を及ぼしたと言われています。

系譜

親徳の家系についても特筆すべき点があります。彼の父は朝比奈俊永であり、母についての記録は残っていません。彼の子供たちには、朝比奈信置（1528-1582）、朝比奈義永、朝比奈義信がいます。特に信置は武田氏に仕官し、彼らの間展開された戦闘や策略については多くの史書に記されています。

親徳にまつわる関連作品としては、2020年に放送されたNHKの大河ドラマ『麒麟がくる』があります。このドラマでは山口馬木也が親徳を演じ、その生涯を描いています。親徳の足跡とその家族の歴史は、戦国時代の複雑で興味深い物語の一部を形成しているのです。

親徳の生涯は、単に武将としての活躍のみならず、彼の家族や主君、さらには彼が関わった多くの戦争や政治的な動向にも影響を与えました。彼がどのようにして家中での重要な役割を果たしたのか、また家族との関係がどのように展開していったのかは、今後も多くの研究と議論を呼ぶテーマとなるでしょう。

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