朝潮太郎 (3代)

朝潮 太郎の生涯と業績

朝潮 太郎（あさしお たろう、1929年11月13日 - 1988年10月23日）は、大相撲界に名を馳せた横綱であり、鹿児島県の徳之島出身です。本名は米川 文敏（よねかわ ふみとし）ですが、相撲界ではその名よりも朝潮の名で知られています。身長189cm、体重145kgと、相撲界でも一際目立つ巨体を誇り、特に左四つの技を得意とし、寄り技でも好成績を残しました。

入門前の経歴と初土俵

朝潮は相撲取りになる前、沖仲仕として働いていました。彼は圧倒的な力自慢で、特に貴闘力の父親をも超える怪力の持ち主として知られていました。1948年10月場所では、本名の米川名義で初土俵を踏むことになり、当時は米軍占領下の奄美大島から密航をしてきたため、兵庫県出身として番付に記載されていました。奄美大島の返還運動にも参加し、1954年からは鹿児島県出身とされました。

横綱の道を歩む

彼の出世は非常に早く、1951年には7場所目で新入幕を果たし、1952年には初の殊勲賞を受賞します。1953年には新三役として昇進し、1956年には関脇で初優勝を飾るなど、目覚ましい活躍をします。この頃から彼は「大阪太郎」との名で知られ、大阪場所での強さが際立っていました。

そして1958年に横綱に昇進。昇進伝達式では、しっかりとした口上で横綱の名に恥じぬよう努力する決意を示しました。横綱時代には15場所連続勝ち越しの偉業を達成し、数々の優勝を重ねるも、その後は脊椎の問題に悩まされる日々が続きました。

指導者としてのあなた

引退後は、高砂部屋の親方として若手力士を育成しました。特に小錦に対しては、厚い信頼を寄せ、厳しいけれども愛情深い指導を行ったことで知られています。全盛期の経験を基に、指導者としても大きな影響を及ぼしました。

健康問題と死去

1987年に軽い脳梗塞を患って以降、体調が優れず、1988年には再度脳のトラブルが発生しました。弟子のトラブルやストレスも影響してか、ついには10月23日に病院で亡くなりました。58歳という若さでした。彼の死後、その存在は多くの弟子たちや相撲ファンに惜しまれました。

家族と遺産

朝潮太郎の家族は、長野県で「相撲茶屋 よねかわ」というちゃんこ鍋屋を経営しています。未亡人は、ユーモアが溢れた家庭生活を語り、また息子はフジテレビのプロデューサーとしても活動しています。彼の足跡は、今も多くの人々の胸に生き続けています。彼はただの力士に留まらず、時代を超えて語り継がれる存在となったのです。

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