朝鮮人民軍海軍

朝鮮人民軍海軍について

朝鮮人民軍海軍（朝鮮語: 조선인민군 해군）は、北朝鮮が所有する海軍であり、その起源は1946年に設立された海岸警備隊に遡ります。本海軍は朝鮮人民軍の海上戦力を支える組織ですが、陸海空の軍隊の中では規模が小さく、2023年の海軍節に向けて装備の近代化を図っています。

組織と装備

朝鮮人民軍海軍は、小型哨戒艇や魚雷艇に加え、特殊部隊用のホバークラフトを保有しています。2013年時点では、総艦艇数は約650隻、総排水量は10.3万トンとされています。また、潜水艦は90隻以上が存在し、特殊部隊の運用も行われています。しかし、経済の停滞や燃料不足により、外洋での活動は制限され、艦艇の老朽化が進んでいることも問題視されています。2013年には演習中の艦艇が沈没し、数名が殉職する事故も発生しています。

沿革

朝鮮人民軍海軍の起源は1946年に設立された黄海水上警備隊にあります。その後、いくつかの水上警備隊が設立され、1948年に朝鮮人民軍の設立とともに水上保安隊から正式に海軍へと発展しました。初期の指揮官は朝鮮義勇軍出身者であり、彼らは基本的な軍事知識を持ちながら部隊を指揮しました。1949年には、内務省から民族保衛局へと管轄が移され、「魚雷艇隊」が設立され、正式な海軍の組織体制が整えられています。

朝鮮戦争とその後

朝鮮戦争中、海軍は本格的な海戦にはあまり関与しませんでしたが、1950年の注文津港海戦ではアメリカ海軍の艦艇と交戦しました。この戦闘において、北朝鮮側は一隻の米艦を撃沈したと主張しています。その後、1960年代から2010年代にかけて、海軍は徐々に拡大し、特にロミオ型潜水艦の国産化などが進められました。しかし、冷戦の終結や内部の混乱により艦艇の更新は滞り、燃料不足が活動を制限しています。

現代の動向

最近では、2023年に金正恩総書記が海軍を「国家核抑止力の構成部分」と位置づけ、戦術核の配備を示唆しました。新たに進水した潜水艦については、韓国当局が機能に疑念を呈していますが、海軍は整備や近代化を急いでいます。

組織編成

朝鮮人民軍海軍は、日本海と黄海の二つの地域に部隊が配置されています。東海艦隊には10の戦隊があり、西海艦隊には6の戦隊があります。これらの戦隊はそれぞれロケット艦や魚雷艇、特殊部隊をさまざまに編成しており、地対艦ミサイル部隊や海兵隊も含まれます。

朝鮮人民軍海軍はその小規模さにもかかわらず、複雑な国際情勢の中で独自の役割を果たしており、北朝鮮の軍事力強化に向けた努力は続いています。

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