注文津港海戦

注文津港海戦

注文津港海戦（チュムンジンこうかいせん）は、1950年7月2日に朝鮮戦争中に発生した海戦です。この海戦は、朝鮮半島東岸の注文津沖で、国連軍（アメリカ[[海軍]]、イギリス海軍）と北朝鮮の朝鮮人民軍海軍の間で繰り広げられました。

戦闘の背景

1950年6月25日に朝鮮戦争が勃発すると、北朝鮮軍は江原道方面へ侵攻し、韓国軍は南へ退却を余儀なくされました。江原道江陵郡（現在の江陵市）の北に位置する注文津港も北朝鮮軍に占領されました。国連軍は、陸軍の増援に先立ち海軍を投入し、北朝鮮軍の上陸を阻止するために警戒を開始しました。

海戦の経緯

1950年7月2日、アメリカ[[海軍]]の巡洋艦「ジュノー」、イギリス海軍のスループ「ブラックスワン」、軽巡洋艦「ジャマイカ」が、日本海側沿岸を航行中、弾薬船団の護衛を終えたばかりの北朝鮮魚雷艇と砲艦と遭遇しました。北朝鮮軍は先制攻撃を仕掛けましたが、国連軍の艦船からの集中砲火を浴び、魚雷艇3隻が撃沈されました。残りの北朝鮮軍艦艇は撤退しました。翌朝、ジュノーは注文津港に逃げ込んだ弾薬船を発見し、全て撃沈しました。

戦いの結果と影響

注文津港海戦は、朝鮮海峡海戦と共に朝鮮戦争初期の代表的な海戦として知られています。これらの海戦で、国連軍は制海権を掌握し、北朝鮮軍は海上からの大規模な侵攻や上陸作戦を断念せざるを得なくなりました。また、海上輸送も困難になり、北朝鮮軍は軍需品の補給に苦労することになりました。

北朝鮮のプロパガンダ

北朝鮮は、平壌にある祖国解放戦争勝利記念館で、注文津港海戦において、朝鮮人民軍海軍の高速[[魚雷艇]]が、金君玉の指揮の下、アメリカ[[海軍]]の重巡洋艦「ボルチモア」を撃沈したと主張する展示を行っています。しかし、実際にはボルチモアは1946年から1951年まで予備役であり、1950年には戦闘に参加していません。これは、北朝鮮が敗北を隠蔽するためのプロパガンダです。ボルチモアは、1951年に再就役後、大西洋艦隊に配属され、朝鮮戦争休戦後の1955年に太平洋艦隊に編入されました。1971年に海軍リストから除籍され、その後スクラップとして解体されました。

関連事項

朝鮮戦争
朝鮮海峡海戦: 注文津港海戦と同様に、朝鮮戦争中に発生した海戦の一つ。
* 金君玉英雄艦: 注文津港海戦で魚雷艇21号に乗り、重巡洋艦「ボルチモア」を撃沈したとされる北朝鮮の英雄、金君玉に由来する潜水艦。

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