朝鮮労働党第8次大会

朝鮮労働党第8次大会の詳細解説：金正恩体制下の変化と今後

2021年1月5日から12日にかけて、朝鮮労働党第8次大会が開催されました。この大会は、北朝鮮の政治、経済、社会に大きな影響を与える重要なイベントです。本記事では、大会の背景、内容、そして今後の展望について詳しく解説します。

大会開催までの経緯

金正恩体制への移行と党大会の再開

金日成時代以来、長らく党大会は開催されていませんでしたが、金正恩体制になってから党を重視する体制へと回帰し、2016年には36年ぶりとなる第7次党大会が開催されました。

第7次党大会後の課題と第8次党大会の召集

第7次党大会で採択された「国家経済発展5カ年戦略」は、国際的な経済制裁や新型コロナウイルス感染症の世界的な流行、自然災害などにより、目標達成が困難な状況となりました。これを受け、2020年8月には第8次党大会の開催が決定されました。

大会の内容

出席者の選出

党大会に出席する代表者は、各級組織代表会で選出されました。代表者の選出は、党員数に応じて行われ、金日成と金正日にも代表証が授与されたことが報じられました。

金正恩の開会の辞と経済状況の認識

金正恩は開会の辞で、経済の不振を認めつつも、新型コロナウイルス対策や自然災害からの復旧における成果を強調しました。

主要な議題と決定事項

第7期党中央委員会事業総和報告

金正恩による報告では、外交政策、対米政策、南北関係、経済計画などが議論されました。特に、アメリカに対しては敵対的な姿勢を崩さず、核・ミサイル開発を強化する方針が示されました。南北関係においては、韓国に合意の履行を要求し、関係改善には課題が残ることを示唆しました。
党中央検査委員会の事業総括報告

党財政管理活動における成果と課題が分析され、党財政規律の強化が決定されました。
党規約の改正

党規約が改正され、書記局の復活、地方・各級党委員会指導部の名称変更、党中央委員会検閲委員会の廃止などが決定されました。また、党大会を5年ごとに召集することが明記されました。
党中央指導機関の改選

金正恩が朝鮮労働党総書記に選出され、2011年以来空位となっていたポストが復活しました。また、党最高指導部のメンバーも刷新され、金与正の役職が変更されました。

各部門別協議会と決定書の採択

各部門別協議会では、金正恩の報告で示された課題を達成するための決定書草案が審議され、最終日の会議で決定書が採択されました。

大会閉会後

大会後、金正恩は第8期中央指導機関のメンバーとともに錦繍山太陽宮殿を訪問し、金日成・金正日に対して敬意を表しました。また、最高人民会議が召集され、国家経済発展5カ年計画に関連する法令採択などが議論されました。

まとめ

朝鮮労働党第8次大会は、金正恩体制下における政策の方向性を示す重要な機会となりました。経済の立て直し、核・ミサイル開発、対外関係など、多くの課題が山積する中、北朝鮮が今後どのような道を歩むのか、引き続き注視していく必要があります。

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