朝鮮義勇軍

朝鮮義勇軍の歴史

朝鮮義勇軍（ちょうせんぎゆうぐん）は、1942年7月に中国山西省の太行山脈で設立され、後に各地域で活動を展開した朝鮮人部隊です。この部隊は中国共産党に属し、朝鮮の独立を目指す「朝鮮独立同盟」の軍事組織としての役割を果たしました。義勇軍は日本軍との直接的な戦闘は行わなかったものの、彼らに対する宣伝活動や支援を行いながら、さまざまな戦闘の背景や内戦の一部として機能していました。

創設から日中戦争終結まで

1942年の設立当初、朝鮮義勇隊は華北支隊として運営されていました。その後、朝鮮の共産主義者たちが集まり、武亭を指揮官として位置付け、彼らは八路軍や新四軍の指導下で活動していきました。当時、義勇軍の規模は数百人程度でありましたが、崔昌益は彼らを「朝鮮人民の唯一の武装隊伍」として誇りを持っていました。彼らの活動は主に太行山を中心とした抗日遊撃区で行われ、様々な地域に展開しました。

また、1942年8月には李益星が新たに晋察冀辺区に進出し、多くの朝鮮革命家と連携しました。この地域には朝鮮人の多い都市が存在し、彼らの拠点を構えるには理想的でした。それに加え、太行山の抗日根拠地にも多くの朝鮮人革命家が集結し、様々な活動を展開しました。例えば、1942年には朝鮮青年連合会の晋察冀支会を基に朝鮮独立同盟晋察冀分盟が形成され、さらなる活動を展開していきました。

朝鮮義勇軍は1944年には延安に集結し、軍事訓練と政治学習を実施。彼らは日本軍と戦い、戦局の変化に応じて国共内戦などにも参加していくことになります。この過程で朝鮮義勇軍は結束を強固にし、組織力を高めました。

国共内戦における活動

第二次世界大戦が終結した後、朝鮮義勇軍は国共内戦に巻き込まれ、中国共産党と国民党との戦闘に参加しました。彼らの兵力は増強され、組織的にも再編成が進められました。1945年11月には瀋陽での軍人大会で新たに部隊が編成され、南満州に潜入しました。この大会では、戦力の強化のために朝鮮義勇軍は各支隊に分かれて行動することになりました。

仁などの多くの人々が共に戦ったこの期間、朝鮮義勇軍は国民党軍との戦闘を繰り広げ、しだいにその存在感を強めていきました。しかし、部隊は中国人民解放軍に吸収されていき、自身のアイデンティティを失うことになります。それでも、彼らは中国内戦の多くの戦闘に参加し、必死に南進し続けました。

北朝鮮への移行

1949年、北朝鮮との関係が深まる中で、義勇軍の一部は朝鮮人民軍に吸収されることへと繋がります。部隊の大部分は忠誠を誓い、北朝鮮の一員として新たな任務を果たすことになります。朝鮮人民軍には、義勇軍出身の将兵が多数編入され、北朝鮮の軍事バランスを支える役割を果たしました。

戦後、彼らは朝鮮半島の軍事情勢に大きな影響を与え、国の歴史に名を刻む存在となりました。朝鮮義勇軍は、設立当初から北朝鮮への移行を経て、現在に至るまで朝鮮半島の歴史における重要な要素となっています。

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