崔昌益

崔昌益：朝鮮の独立運動家とその生涯

崔昌益（チェ・チャンイク、1896年 - 1957年）は、日本の統治下にあった朝鮮で活動した著名な独立運動家であり社会主義者である。彼はその生涯の中で、朝鮮の独立と社会主義の実現を目指し、多くの政治活動や抗日運動に従事した。

生い立ちと教育

崔は咸鏡北道穏城郡に生まれ、時代の流れの中で早稲田大学の政治経済学部に進学した。大学での学びを通じて彼は共産主義思想に目覚め、帰国後はソウルで結成された共産主義者の組織「ソウル青年会」に参加した。この組織において彼は幹部として活躍し、1925年にはモスクワで開催された国際共産党大会に韓国代表として出席するなど、国際的な活動に積極的に関与した。

抗日運動と亡命

1928年には第三次朝鮮共産党事件により逮捕され、数年後には服役を終えた。1936年、彼は妻の許貞淑と共に中国へ亡命し、漢口で「朝鮮民族前衛同盟」を結成した。ここから彼は金元鳳が率いる朝鮮民族革命党にも参加し、1938年には在武漢朝鮮青年戦時服務団を指揮することに。

その後、金元鳳との意見の相違から彼は延安に移動し、そこでは朝鮮義勇軍を創設することとなった。この部隊は中国共産党の影響下に置かれ、彼自身も1942年には朝鮮独立同盟の副主席となった。

帰国と北朝鮮の政治活動

1945年の終戦後、崔昌益は平壌に帰国し、1946年からは朝鮮新民党の副委員長を務めるなど、北朝鮮の政治の中心に位置した。8月には北朝鮮労働党中央委員会の常務委員に就任し、その後も重要な役職を歴任した。特に、1948年の北朝鮮政府樹立時には財政相として政府の基盤構築に寄与した。

しかし、政治の世界は厳しいものであり、1956年には金日成による権力闘争の中で党から除名され、以降は追放されることとなった。彼は物質文化および歴史文物保護局長に任命されたが、それを拒否し、高名な学者として科学研究に従事する道を選んだ。

最期

1957年、崔昌益は反党グループ事件の影響で再び金日成政権の標的となり、9月に逮捕された。軍事クーデターへの関与を理由に刑務所に送られ、1960年1月に行われた秘密裁判で死刑が言い渡されるという厳しい運命を辿ることとなった。

家族

崔昌益の妻である許貞淑も政治家として知られ、彼女は今もなお彼の重要な活動の影に存在している。彼らの結婚生活は後に終止符が打たれたが、彼女の影響は崔の人生において重要な役割を果たしたと言えるだろう。

崔昌益の生涯は、多くの変遷を経ており、日本の植民地支配に対する抵抗と新たな国建設を目指す彼の理想がどれほど激しいものであったかを物語っている。また、彼の死は権力の厳しさと、その時代における政治的暗雲を象徴している。

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