木下哲三郎

木下哲三郎（きのした てつさぶろう）

木下哲三郎は、1853年2月6日（嘉永5年12月28日）に熊本藩（現在の熊本県）で生まれ、1907年（明治40年）7月30日に脳溢血で亡くなった、明治時代の司法官です。大審院判事として、司法の発展に貢献しました。

生涯

木下哲三郎は、熊本城下の新屋敷町で生まれました。1874年（明治7年）に法学試験に合格し、フランス法を学び始めました。その後、司法省に入省し、1886年（明治19年）には司法省参事官に就任しました。1890年（明治23年）には、大審院判事に昇進し、司法の中枢で活躍することになります。

1891年（明治24年）には、ロシア皇太子が負傷した大津事件の裁判を担当しました。この事件は、当時の日本社会に大きな衝撃を与え、国際的な関心も集めました。木下は大審院判事として、この重大な裁判において重要な役割を果たしました。

司法官としての活動の傍ら、会計検査官懲戒裁判所裁判官や判検事登用試験委員、明治法律学校講師も務め、後進の育成にも尽力しました。1907年（明治40年）7月30日、脳溢血により生涯を閉じました。

人物

木下哲三郎は、フランス法を専門とする法律家として、明治初期の日本の司法制度の確立に貢献しました。また、教育者としても、多くの人材を育成しました。大津事件の裁判に関与したことからもわかるように、公平で公正な裁判を追求した人物であったと考えられます。

親族

娘婿には、建築学者の柴田畦作がいます。長女ムメと結婚しました。

参考文献

人事興信所 編『人事興信録 初版』人事興信所、1903年。
人事興信所 編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
大植四郎 編『国民過去帳 明治之巻』尚古房、1935年。
上田正昭ほか 監修『講談社日本人名大辞典』講談社、2001年。ISBN 4062108496。

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