木俣修

木俣修について

木俣 修（きまた おさむ）は、1906年に滋賀県で生まれ、1983年に亡くなった昭和期の歌人です。本名は修二で、彼の作品は日本の短歌界において重要な位置を占めています。国語・漢文科を専攻し、北原白秋の研究を通じて、短歌の新しい可能性を探求しました。

生い立ちと教育

彼は彦根藩の家系に属し、若い頃から詩や自由画に関心を持ち、雑誌『赤い鳥』に作品を投稿するなど、活発に創作活動を行っていました。滋賀県師範学校を経て、東京高等師範学校文科に進み、短期現役士官としても服役しました。1927年に東京高等師範学校に復学し、北原白秋との出会いが彼の創作に大きな影響を与えました。

当時、彼は歌誌『香蘭』に参加し、編集にも携わりました。また、地域の文壇にも積極的に参加するようになり、短歌作家としての地位を築いていきました。1931年には仙台の宮城県師範学校に赴任し、以降の生活や交流が彼の作品にも影響を与えています。

短歌の革新と影響

木俣は短歌を「第二芸術」と位置づけ、その意味において短歌を現代的なものに変革しようと努力しました。1935年には歌誌『多磨』の創刊に参加し、以降の鳴かず飛ばずの時期に白秋の助手的な役割を担い、短歌の普及に貢献しました。彼の短歌は、生活の中から題材を求めたものであり、その実用性からも多くの支持を受けました。

主な作品と受賞歴

木俣の代表的な歌集には、1942年の『高志』、1954年の『呼べば谺』、1967年の『去年今年』などがあります。彼は文学的な評価を受け続け、芸術選奨文部大臣賞や紫綬褒章を受賞するなど、その業績は高く評価されています。さらに、昭和天皇の和歌指導にも関与し、1983年には日本芸術院賞を受賞しました。

教育と編纂活動

木俣は昭和女子大学の教授としても知られ、国文学の教育に従事しました。彼は、短歌の批評家としても活動し、古典和歌と近代短歌を同時に論じることができる稀有な存在でした。彼の収集した膨大な近代短歌に関する資料は、今も昭和女子大学に残されています。門下には、多くの後進が育っており、大西民子や吉野昌夫などの名前が挙げられます。

生涯の総括

木俣修は、その生涯を通じて日本の短歌界に不可欠な存在となり、その言葉によって多くの人々の心に響く作品を残しました。彼の歌は、ただの文学にとどまらず、時代背景や日常生活を映し出す鏡ともいえるものです。彼の業績は、今後も多くの人々に学ばれ続け、影響を与え続けるでしょう。

最後に、彼の墓所は世田谷区豪徳寺にあり、その静寂な場所は、彼の作品と人生を偲ぶのにふさわしい場所となっています。

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