木子清敬

木子 清敬（きご きよよし）

木子清敬は1844年、京都に生まれた日本の建築家です。彼のキャリアは、明治宮殿を含む数々の皇室関係の建築事業を通じて発展し、正五位勲四等に叙される名誉を得ました。特に、彼は日本建築の講義を初めて大学で行ったことで知られています。

経歴

木子は弘化元年12月24日、当時の山城国上京中立売通宝町（現在の京都市上京区）に生まれました。幼少期には勝治郎という名で呼ばれ、家族は代々宮中に仕えていたため、彼も早くからその伝統を受け継いでいました。明治維新の時期に東京に移り住み、1873年に宮内省に入省しました。
彼は1881年に皇居造営掛として明治宮殿の設計と施工に深く関与し、1887年には宮内省の一等匠手に任命されます。
その後も内匠寮技師や土木課長として日光田母沢や熱海、沼津、葉山などの御用邸の担当を経て、青山御所や皇居造営などの重要な建設プロジェクトにも関わりました。さらに、日光東照宮や東大寺大仏殿の修復工事において技術顧問としても活躍しました。

1889年から1901年までの間、辰野金吾からの要請を受け、東京大学工科大学造家学科で初めて「日本建築」の授業を担当しました。この講義は、それまでの洋風建築の講義に対する重要な転換点となり、伊東忠太や関野貞などの日本建築史の研究者たちを育成する基盤を築きました。後に伊東忠太と共に平安神宮の設計を手がけています。

晩年と死

木子清敬は1905年に脳溢血を患い、一時的に回復しましたが、胃潰瘍も経験します。1906年には自ら辞職し、1907年に勲四等に叙され、旭日小綬章を受章しました。彼は同年6月25日に逝去し、享年64歳でした。その亡骸は青山霊園に葬られました。

家族と木子文庫

彼の子息には建築家の木子幸三郎と木子七郎がいる他、娘婿には滋賀重列がいます。木子清敬が関与した多数の建築資料は、後に東京都立中央図書館に寄贈され、木子文庫として公開されています。この文庫には江戸時代中期の建築資料や明治宮殿、平安神宮の図面など、約29,000点もの資料が収められています。

木子清敬の建築理念や技術は、今でも多くの建築家や愛好者に影響を与え続け、彼の業績は日本建築の発展に欠かせない存在となっています。彼の功績を讃え、多くの資料が後世に受け継がれていることも彼の重要性を示しています。

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