木崎良平 (法曹)

木崎良平（きざき りょうへい）は、1924年7月25日に兵庫県神戸市で生まれ、2005年8月15日に慢性心不全のため81歳で亡くなった日本の弁護士、そして最高裁判所の判事です。

生い立ちと戦中・戦後の苦難

木崎は、戦前に学生でありながら高等文官試験司法科に合格するという優秀さを示しました。しかし、太平洋戦争の影響で学徒動員として満洲へ派遣されることになります。そこで病気を患い療養所で終戦を迎えます。その後、ソ連軍に抑留されるという苦難に見舞われますが、脱走を決行。厳しい状況の中、幾多の困難を乗り越え、日本へ帰還を果たしました。

弁護士としての活躍

帰国後、木崎は京都大学法学部を卒業。1951年に弁護士登録を行い、弁護士としてのキャリアをスタートさせます。その後、大阪弁護士会会長、日弁連副会長、法制審議会委員など、数々の要職を歴任しました。

最高裁判事としての信念

1990年9月、木崎は最高裁判事に就任しました。在任中、特に注目されたのは、1990年の衆議院議員選挙における一票の格差訴訟に関する大法廷判決に対する意見です。この判決で、裁判所は選挙を「違憲状態」としながらも有効としました。これに対し、木崎は「2倍以上の格差は違憲状態であり、1年以内に定数が是正されない場合は選挙を無効にするべき」という反対意見を述べました。この意見は、木崎の法の正義に対する強い信念を示すものとして、社会に大きな影響を与えました。

晩年と受章

1994年7月に定年退官した後も、木崎の社会への貢献は続きました。1996年には、長年の功績が認められ、勲一等瑞宝章を受章しました。

木崎良平は、その波乱に満ちた人生の中で、弁護士として、そして最高裁判事として、日本の法曹界に大きな足跡を残しました。彼の信念と正義感は、後世に語り継がれるべきものです。

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