木戸駅
木戸駅(きどえき)は、
福島県双葉郡楢葉町大字山田岡字一升平に所在する、
東日本旅客鉄道(JR東日本)
常磐線の一駅です。この駅は、地域の生活を支える重要な鉄道拠点となっています。
歴史
木戸駅は、
1898年(
明治31年)
8月23日に、当時の
日本鉄道の駅としてその歩みを始めました。開業からしばらく後の
1906年(
明治39年)
11月1日には、
鉄道国有法に基づき
日本鉄道が買収されたことに伴い、官設鉄道の所属となりました。さらに、
1909年(
明治42年)
10月12日の線路名称制定では、
常磐線に位置づけられることとなります。
駅の歴史において特筆すべき出来事として、
1937年(
昭和12年)
7月12日に駅構内の踏切で発生した事故が挙げられます。この事故では、相馬野馬追の見物に向かっていたバスが、通過中の急行列車と衝突するという痛ましい事態となり、バスに乗っていた多数の乗員・乗客が犠牲となりました。
第二次世界大戦後の
1949年(
昭和24年)
6月1日には、公共企業体である
日本国有鉄道(国鉄)が発足し、当駅もその管理下に置かれました。時代の変化とともに駅の機能も変化し、
1972年(
昭和47年)
10月2日には貨物取扱が、続く
1984年(
昭和59年)
2月1日には荷物取扱がそれぞれ廃止されました。荷物取扱廃止と同時に、駅員の配置されない
無人駅(簡易委託方式による営業)となりました。
1987年(
昭和62年)
4月1日、国鉄の分割民営化が実施され、木戸駅は
東日本旅客鉄道(JR東日本)に継承されました。
そして、2011年(平成23年)3月11日に発生した
東日本大震災と、それに伴う
福島第一原子力発電所事故の影響により、当駅を含む
常磐線の一部区間が不通となり、営業を休止することになりました。約3年3ヶ月の休止期間を経て、
2014年(平成26年)
6月1日に広野駅 -
竜田駅間での運転が再開されたことに伴い、木戸駅も営業を再開しました。この再開と同時に、簡易委託による営業も終了し、完全な
無人駅となりました。
近年の変化としては、
2020年(
令和2年)
3月14日に実施されたダイヤ改正で、当駅が東京近郊区間に編入され、これにより
ICカード「
Suica」での乗降が可能となりました。さらに、
2024年(
令和6年)
10月1日からは、非接触型の乗車サービスである「
えきねっとQチケ」のサービスも利用できるようになり、利便性が向上しています。
駅構造
木戸駅は地上に位置しており、相対式ホーム2面2線を有する構造となっています。これは、線路を挟んで向かい合う形で2つのホームが配置され、それぞれのホームに1本ずつ線路が接している形式です。駅舎は趣のある木造建築で、内部には利用者のための
待合室が設けられています。また、
ICカードを利用するための簡易
Suica改札機や、乗車駅を証明するための乗車駅証明書発行機も設置されています。
震災による休止以前は、
富岡駅が管理する簡易委託駅として駅業務の一部が外部に委託されていましたが、
2014年6月1日の営業再開以降は駅係員が常駐しない
無人駅となりました。現在は、
いわき駅を拠点とするJR東日本水戸支社のいわき統括センターが管理を担当しています。
利用状況
JR東日本が公表している乗車人員に関するデータによれば、
東日本大震災発生前の2001年度から2010年度までの期間における1日平均の乗車人員の推移が確認できます。しかし、前述の通り、2011年3月11日から
2014年5月31日までの約3年間の営業休止期間があり、さらに
2014年6月1日の営業再開以降は駅員の配置されない
無人駅となったため、駅係員による乗車人員の集計が行われていません。このため、2011年度以降の正確な乗車人員に関する統計データは公表されていません。
駅周辺
駅周辺には、主要な交通路である
国道6号線が通っています。生活関連施設としては、木戸郵便局や、休憩施設として利用できる
道の駅ならはがあります。また、サッカーナショナルトレーニングセンターである
Jヴィレッジは、当駅から徒歩約20分程度の距離に位置しています。隣に
Jヴィレッジ駅が開業したため、そちらを利用すると徒歩約5分と、より短時間でのアクセスが可能です。
その他、
双葉地方広域市町村圏組合消防本部や富岡消防署楢葉分署といった消防関連施設、
JERA広野火力発電所、景勝地の天神岬公園などが周辺にあります。また、宿泊施設としてバリュー・ザ・ホテル楢葉木戸駅前が利用できます。
なお、
福島第一原子力発電所事故に伴い、当駅を含む
楢葉町全域に対して避難指示が出されていましたが、
2015年(平成27年)
9月5日には避難指示が解除され、住民の帰還や生活再建が進められています。
その他
地理的な位置としては、当駅は
常磐線上の主要な拠点駅である
水戸駅と
仙台駅のほぼ中間点にあたります。
隣の駅
東日本旅客鉄道(JR東日本)
* ■
常磐線
Jヴィレッジ駅 -
木戸駅 -
竜田駅