木星のトロヤ群小惑星の一覧 (トロヤ群)

木星トロヤ群：L5ラグランジュ点に集う小天体群

木星の公転軌道上には、太陽と木星の重力が釣り合う安定な場所、ラグランジュ点が存在します。そのうち、木星の進行方向60度後方(L5)に位置するラグランジュ点には、多数の小天体が集まっており、これらは「トロヤ群」と呼ばれています。本稿では、このトロヤ群の中でも、特にL5ラグランジュ点付近を公転する「狭義のトロヤ群」に分類される天体について解説します。

トロイア戦争の英雄たち：命名のルールと例外

これらの小天体には、その名が示す通り、古代ギリシアの叙事詩「イリアス」に描かれるトロイア戦争に登場する人物の名前が付けられています。特に、L5に存在する小天体には、トロイア側で参戦した英雄たちの名前が採用されています。しかし、命名規則には例外も存在します。

例えば、(624)ヘクトルは、L4に位置しながらもトロイア側の人物名が付けられています。また、L5に位置する(617)パトロクロスは、ギリシア側の人物名を持つという、逆の例外も存在します。

命名規則の変更：オリンピック選手の採用

近年、観測技術の進歩によりトロヤ群小天体の発見数が急増し、2018年にはその数が1万個を超えました。これは、トロイア戦争の英雄たちの数をはるかに上回るため、国際天文学連合は命名規則を改正し、絶対等級が12等級以上（アルベドが0.057と推定すると、直径約22キロメートル以下）の小天体については、オリンピック選手の名前を付与することを許可しました。

トロヤ群とギリシア群：観測の相互性

木星のトロヤ群は、L4（木星の進行方向60度前方）に位置する「ギリシア群」と対をなしています。これら二つの群は、木星を挟んで120度離れて位置しているため、一方の群が地球から観測しやすい時期には、もう一方の群は太陽の向こう側に隠れて観測しづらくなります。そのため、トロヤ群とギリシア群の天体は、交互に発見される傾向があります。

狭義トロヤ群：現在の状況

2022年10月現在、狭義のトロヤ群には4,204個の既知の天体が存在し、そのうち2,221個には小惑星番号が付与されています。

関連資料

以下に、木星のトロヤ群小惑星の一覧へのリンクを掲載します。

木星のトロヤ群小惑星の一覧 (トロヤ群) (1–100000)
木星のトロヤ群小惑星の一覧 (トロヤ群) (100001–200000)
木星のトロヤ群小惑星の一覧 (トロヤ群) (200001–300000)
木星のトロヤ群小惑星の一覧 (トロヤ群) (300001–400000)
木星のトロヤ群小惑星の一覧 (トロヤ群) (400001–500000)
木星のトロヤ群小惑星の一覧 (トロヤ群) (500001–600000)
* 木星のトロヤ群小惑星の一覧 (トロヤ群) (600001–700000)

この一覧を通じて、トロヤ群に属する数多くの小天体の存在を実感することができるでしょう。

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