小惑星番号

小惑星番号の概要

小惑星番号（minor planet number）は、軌道要素が特定され小惑星センターに正式登録指示された天体に付与される識別番号です。ここで言う「小惑星」は、純粋に岩石で構成された小惑星（asteroid）にとどまらず、太陽系外縁天体や彗星、小惑星遷移天体、準惑星を含む広範なカテゴリを指します。

小惑星の発見と登録

新たに発見された小惑星には、発見時に仮符号が付けられます。この仮符号は、「特定の時期に発見された小惑星の順位」を示しています。続いて、複数回の観測を通じてその天体の軌道が確定し、初めて正式に登録され小惑星番号が付与されるのです。このプロセスには時として数十年かかることもあり、ある小惑星が複数回発見されることもあります。その場合、新たに仮符号が与えられることになります。また、登録作業の都合上、手続きが遅延することもあります。

過去の登録ミス

小惑星は、軌道要素が確定し番号登録された後に初めて正式な命名を受けますが、過去には登録後に行方不明となった事例が存在します。時には、登録された番号に誤って異なる天体の名前が付けられたり、元の小惑星が再び発見され別の番号が割り当てられることもありました。例えば、恒星を誤って小惑星として登録した例や、行方不明の小惑星を再発見して異なる番号を付与したケースがあります。2000年までに行方不明になっていた登録済み小惑星のほとんどは、再発見されていますが、最も再発見が遅れたのは(719)アルベルトです。

小惑星番号を持つ天体について

小惑星番号は、19世紀から20世紀の初めにかけて発見された小惑星の多くに付けられています。1801年から1807年の間に、最初の4つの小惑星（(1)ケレスから(4)ベスタ）が知られることとなりますが、この時代には小惑星がそこまで多いとは予見されていませんでした。1845年に新たに発見された(5)アストラエアの登場以降、次第に小惑星は惑星とは異なるカテゴリーとして認識されるようになりました。1850年代からは、発見順に番号を付ける慣習が始まり、19世紀中の小惑星もその多数がこの方式で番号登録されています。

20世紀に入ると、1892年に仮符号が導入され、登録番号が発見日の順に付与されることが一般的となります。しかし、1935年の資料には401番から720番までの小惑星が掲載されているにもかかわらず、実際にはこの時点で発見された小惑星の数は既に1,000を超えていたといいます。1960年初頭には登録された小惑星の数は1,638に達し、その後小惑星の発見ペースは増加し続けました。

21世紀の小惑星探査

21世紀に入ると、各種の自動化された小惑星探査プログラムのおかげで、小惑星の発見数は急増しています。特にLINEARプログラムを通じた効率的な捜索により、小惑星センターにおける登録業務もデジタル化され、番号付与の速度が増しています。2023年10月現在、登録された小惑星の数は629,008個に達しており、このうち固有名が付けられているのは約3.7%の23,542個であるとのことです。

特殊な小惑星番号

小惑星番号には、特定の規則に基づいたものも存在します。例えば、すべての桁が0のキリ番や、同じ数字が並ぶゾロ目の番号です。また、特定の数字に基づいた命名規則もあり、例として以下のようなものが挙げられます：

• - (2037) トリパクセプタリス： 3×679と7×291から名付けられた。
• - (90377) セドナ：登録前から使用されていた仮称が正式名称になった。

このように、多様な命名法や番号体系によって小惑星は識別されており、宇宙における天体の分類が進化しています。

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